一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
輸入された大豆や菜種はサイロに保管されます。もっとも、保管といってもそれほど長期のものではなく、鮮度がよいうちに搾油するため1ヶ月以内には製造工程に入ります。
製油産業はパイプ産業と称することができる産業です。原料がサイロから製造工程に移った段階からは、最終製品が積上がるまですべて密閉状態のなかでで処理されます。パイプの中を移動しながら油が製造されていきますので、私たちが目にすることができるのは、最終製品となって容器に充填する工程だけになります。
植物油の製造は、2つに工程に大別できます。
第1の工程は、原料から油分を取り出し、粗油(原油)を製造する工程です。油分を多く含む原料の場合には、原料を圧搾して油分を絞り出しますが、圧搾後の原料にはまだ多くの油分が残っていますので溶剤で油分を抽出します。油分の少ない原料の場合は、圧搾は行わず抽出からスタートします。この過程を搾油と称します。搾油により得られた油から不純物を除去(脱ガム)したものが原油です。原油は、いったん原油タンクに貯蔵されます。
第2の工程は、原油を精製し最終製品を作る工程です。精製の工程は、まだ残っている不純物の除去(脱ガム)、遊離脂肪酸の除去(脱酸)、色素の除去(脱色)、固形状の油脂やロウ分の除去(ウインタリング、サラダ油製造の場合)、臭いの除去(脱臭)の各工程に分かれます。こうして得られた油が精製油又はサラダ油で、いったん精製油タンクに貯蔵されます。
精製油タンクに保管された植物油は、バルクといわれる状態でタンクローリーによって加工工場へ搬出されるもの、缶やボトルなど容器に充填して搬出されるものというように、用途に応じた出荷が行われます。