一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
世界の主要な植物油生産国は、自国内に原料生産基盤を有していますが、日本は原料のほとんどを海外に依存しながら、世界で有力な植物油生産国となっています。
日本の植物油製造業も国内の菜種を基盤に発展してきた歴史がありますが、農政の転換によって昭和40年代はじめに菜種の国内生産がほぼなくなり、海外からの輸入に依存せざるを得なくなりました。しかし、当時は、菜種を安定して供給できる国はなく、政府と業界が協力してカナダに菜種生産の拡大を働きかけ、カナダがこの要請に応えた経緯があります。いまでは、植物油製造業は国内農業と関わりが薄いように受け止められていますが、かつては互いに支え合ってきた関係にあり、農業生産の減退に伴ってやむなく海外依存に切り替えなければならなかったのです。
日本の植物油供給は、次の3つの方法で行われています。
【1】油糧種子を購入し、油を抽出する(大豆、菜種、ごま、綿実、あまに等)
【2】副産物を活用して、油を抽出する(米ぬか、とうもろこし胚芽)
【3】海外から油を輸入する(パーム油、オリーブ油、ひまわり油、ひまし油等)
平成23年の植物油の総供給量は256万トンで、菜種油が最も多く、次いでパーム油、大豆油となっています。国産の原料を主とするこめ油はこれに次ぐ4番目に多い油となっています(表12参照)。