一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

OTONASALONEに
「意外と知らない? 植物油 ~その素晴らしき世界~」展が
紹介されました。

「見えない油」って知ってた?
「植物油の3つの魔法」
美しく歳を重ねたい人が知っておくべき真実とは?

私たちの食事に欠かせない、油。最近は、健康や美容にいいとされる植物油に注目が集まっています。でも、なぜ健康や美容に植物油がいいのでしょう。その答えを知るため、2023年2月20日~24日に開催された展示会「意外と知らない? 植物油~その素晴らしき世界~」にお邪魔してきました。日本最古の搾油機を復元しての搾油実演リポートも含め、知らなかったこと満載の展示会の要点をぎゅっとお伝えします。

健康と美しさを支える3つのメリット

植物油の魅力を知ることができる展示会「意外と知らない? 植物油~その素晴らしき世界~」は、農林水産省内(東京・霞が関)にある「消費者の部屋」で開催されました。これまであまり気にしていなかった植物油が日々の生活に欠かせない食品であることはもちろん、美しく元気な毎日を支える基本になっていることに気づかされる内容で、開場早々からたくさんの方々が来場していました。そんな植物油が持つ力を、知らなかったことが満載の展示会の内容を通して読者の皆さんにもお伝えします。

まず、植物油の摂取には大きく3つのメリットがあります。

  1. コレステロールを抑える
  2. カロテンなど脂溶性ビタミンの吸水率アップ
  3. 薄味でもおいしく調理できる

驚いたのが、植物油には実はコレステロールを抑える働きがあるということ。もちろん、摂取のし過ぎは身体によくありませんが、植物油に含まれる飽和脂肪酸には体内のコレステロールを下げる働きがあり、特にオリーブ油、ひまわり油、べに花油は、悪玉コレステロールだけを下げる働きがあるオレイン酸を豊富に含んでいるそうです。体内のコレステロールが増えると動脈硬化や高血圧などの生活習慣病を招きやすくなりますから、それを抑えてくれる植物油はありがたい存在ですよね。

また、人参やピーマンなどの緑黄色野菜に含まれるカロテンなどの脂溶性ビタミンは、植物油と一緒に摂ることで吸収がよくなります。さらに、揚げるときに臭みを取ったり香ばしさをプラスしたりできるので、薄味でもおいしく調理ができます。たくさんの栄養成分を効率よく摂取しながら料理も美味しくなるなんて、植物油はまさに一石三鳥!?といっても過言ではありません。

実は知らない/勘違いしている植物油

そうはいっても、やはり油はなるべく控えたほうがいいのではないか……と思ってしまいます。

実は、油には「見える油」と「見えない油」が存在しています。「見える油」とは植物油のほか、バターやマーガリンなど調理に使う油のこと。「見えない油」とは肉や魚、穀物、乳製品など食品そのものに含まれる油を指します。日本人が摂取している油の約4分の1は「見える油」で、約4分の3が「見えない油」です。調理に使う「見える油」をつい敬遠しがちですが、実は考えるべきは食品に含まれている「見えない油」。これを意識しながら食事を楽しむことが、美しさと健康の維持につながります。

さらに日本人は、がんや貧血予防、老化のスピードを抑えると言われているビタミンEの約30%を植物油から摂取しています。ビタミンEは、日々の生活を送るために必要なエネルギー源である脂質を効率的に摂取できるので、歳を重ねるほど賢く植物油を摂取していくことが大切だといえそうです。

スーパーで見つけたらぜひ購入したい植物油

キャノーラ油や大豆油、ごま油、オリーブ油などは日頃からよく使う機会があると思いますが、植物油といっても実はたくさんの種類があります。健康志向の高まりにともなって、こめ油やひまわり油、あまに油、えごま油などの植物油を店頭で見かけることが増えました。また、コーン油や綿実油など、一般的なスーパーではなかなかお目にかかれないものもあるので、見かけたらぜひ使ってみてください。

また、それぞれの植物油の特徴がまとまっていたので、是非参考にしてみてください。

日々の食生活で植物油を使いこなすコツとは?

植物油は、炒めたり揚げたりする以外にもさまざまな使い方があります。最近では野菜にあえたり、ヨーグルトやアイスクリームにかけたりと、これまで以上に手軽に植物油を摂取する方法が増えました。

日本植物油協会のホームページでは、使用後の保存方法や、植物油を活用したレシピ案、植物油をおいしく楽しめる飲食店などの紹介を積極的に行っているので、ぜひチェックしてみてください。

「日本最古の搾油機」を復元!搾油の実演会も開催

展示会では、日本最古の搾油機「長木式搾油機」を2分の1サイズに復元した模型を使って、えごま油の搾油実演会がおこなわれました。2分の1といっても、長さ3メートル、高さ1.2メートルとかなりの大きさ。分厚い木版をくり抜いた臼に、蒸したり炒ったりして下ごしらえしたえごまの種が入った袋を投入したら、準備完了。柱のような長い棒を強く引き倒すと、綱が締まり、押し木が臼の中の種を圧縮します。この模型は、製油の発祥地とされる京都府・大山崎町の離宮八幡宮に所蔵されていた『製油濫觴(せいゆらんしょう)』という長木式搾油機の図を基に作られたもので、今回はイベントのために京都から運んできたそうです。

使用したえごまの種も、大山崎で育てられたもの。大山崎は製油の発祥地であるとともに、えごま油の生産地として栄えた町でもあります。この町文化を広く伝えるために立ち上がった地域の人々が、種まきから収穫までの一連を手探りで再開し、いまにつなげています。聞くところによると、発芽させるだけでもかなり難しいそう。国産のえごまは、私たちが思っている以上に貴重なんです。

これからも植物油が安定的に家庭に届くために

ここのところ円安などの影響を受けてさまざまな日用品やサービスなどが値上がりしていますが、植物油は原料のほとんどを海外から輸入して製造しているため、その煽りを受けています。各メーカーがどんな状況に置かれていて、どんな対策を行っているか、詳しく説明されているサイトがあるので、ぜひ一度見てみてください。

最後に、日本植物油協会から読者の皆さまへ、メッセージを預かりましたのでご紹介します。

「植物油は、健康維持に不可欠で重要なエネルギー源として、そして調理機能や風味・美味しさが評価され、私たちの食生活に定着しております。世界的に近年人口増やバイオ燃料需要等による需要が増加する一方で、気象要因による原料不作や新型コロナやウクライナ情勢等による影響から需給がひっ迫してきております。そのような中、私たち植物油メーカーは安心、安全な商品を安定してお届け出来るように日々努力してまいります」

撮影/佐山裕子(主婦の友社)
取材協力/一般社団法人 日本植物油協会