一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

田島シェフの「おもてなしスイーツ日和」 バックナンバーはこちら
一流シェフから、素敵なレシピをご提案いたします
ベジタブル・オイル

甘味処「ベジタブル・オイル」を開店いたしました。
皆様がおなじみのスイーツも、植物油でちょっと一工夫するだけで、
ワンランク上の“おもてなしスイーツ”に美味しく変身を遂げます。
当店はそんな新感覚スイーツで皆様をおもてなしいたします。
おもてなしするパティッシェは田島加寿夫さん。
「技あり!ヘルシーフレンチ講座」以来久々に登場していただきました。
たとえばソースに植物油を少し加えるだけで、いつものスイーツが全く新しい上品な味わいに変身し、
洗練された甘さと滑らかな食感が広がっていきます。
そんな当店自慢のスイーツ「ベジタブル・オイル」を是非お召し上がり下さい。

【第9回】お洒落感のある、ワイン風味の大人の濃厚スイーツ!
田島シェフ・インタビュー
田島シェフ
「田島亭」オーナーシェフ 田島 加寿央(たじま・かずお)
一品目は新米にチョコの組み合わせという、濃厚感のあるスイーツですね?
通常、新米のデザートとしてのレシピはキャラメルソースと組み合わせることが多いのですが、今回はショコラを使って、一段と濃厚感のある味わいを演出してみました。新米をお菓子のガトーのように卵黄で固めることで、何よりも、お米のもっちりプチプチとした絶妙な食感を楽しんでいただきたいと思います。ショコラソースに組み合わせたのは、ローストナッツの甘い香りたっぷりのヘーゼルナッツオイル。新米もショコラも重厚感がありますが、それに負けない香りとコクを出すには、ヘーゼルナッツオイルを組み合わせることがベストだと思います。ヘーゼルナッツオイルとチョコレートの相性は素晴らしいものがありますので、ぜひ一度、お米とチョコのマリアージュをお試しいただきたいですね。
二品目でサバイヨンソースにレモン風味のオリーブオイルを含ませた意図を教えていただけますか?
赤ワインでじっくりと煮た洋ナシは、甘みもほどよく口の中でとろけそうな柔らかさです。そこに組み合わせるクリーミーなサバイヨンソースは、ご存知の通りデザート以外でもグラタンなどに使われるのですが、デザートソースとしても洋梨、キウイ、オレンジ、バナナなど、どんなフルーツとの相性も良く、そこに今回は、オリーブオイルを使ったレモンタイムオイルの爽やかな味わいを含ませることにより、洋ナシを飽きることなく香り豊かに召し上がることができるように工夫してみました。レモン風味のオリーブオイルは、さっぱりと食せて、キャベツのコールスローなどマヨネーズの代わりにサラダに取り入れていただいても美味しく召し上がれます。この洋ナシのデザートは、温かいままでも冷やして食べても美味しくいただけますが、これから、ちょっと肌寒い夜には温かくお召し上がりいただき身体を暖めていただければ、いつもより穏やかな眠りにつけるのではないでしょうか。
二品目ともワインを使われていますが、ワインに何かこだわりは必要でしょうか?
今回ご紹介したふたつのレシピは、余った赤ワインや安い赤ワインを使うにはもってこいのデザートと言うことができます。できましたら、一品目のお米のデザートには白ワイン、二品目の洋ナシには赤ワインの組み合わせをおすすめします。二品目で赤ワインにさらにマデラーワインを加えているのは、赤ワインの渋味をよりまろやかな味わいにするため。お好みではありますが、より大人の方向けにするためには、一品目であればラム酒の量を増やしてみたり、二品目であればソースの仕上げにシェリー酒を少し垂らしてみても美味しいですよ。いずれにしても、どちらのデザートも、これからの秋の夜長に、ゆっくりと読書や音楽を聴きながら食していただくにふさわしいスイーツに仕上がっていると思います。
田島シェフ・プロフィール
ベジタブル・オイル

「田島亭」オーナーシェフ
田島 加寿央(たじまかずお)

<プロフィール>
1966年千葉県松戸市生まれ。
調理師専門学校卒業後、赤坂プリンスホテルのメインダイニング「ル・トリアノン」にて
5年の修行ののち渡欧し、スイス、フランスの本場フレンチを学び帰国。
東京・青山にある会員制ホテル「ウラク青山」のメインレストラン「ジョアン」の料理長などを経て、
現在は新松戸「田島亭」のオーナーシェフとして腕を振るっている。
最近は、松戸市が主催している食育をテーマとした料理教室など、
地域に根ざしたイベントへ参画する機会が増加している。

田島シェフがオーナーシェフの「田島亭」のご案内
新米のガトー仕立て ガナッシュショコラソース ヘーゼルナッツオイル風味
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<新米のガトー仕立て>

  • 新米・・・3合
  • 玉ネギ・・・50g
  • 無塩バター・・・50g
  • 白ワイン・・・30cc
  • グラニュー糖・・・50g
  • オレンジの皮・・・2枚
  • ヴァニラビーンズ・・・1/3本
  • 牛乳・・・1.2リットル
  • 卵黄・・・2個
  • 塩・・・適量
  • コショウ・・・適量
  • マロン・・・8個
  • ラム酒・・・40cc

<ガナッシュショコラソース>

  • ショコラ・・・50g
  • 生クリーム・・・150cc
  • ヘーゼルナッツオイル・・・15g
  • 無塩バター・・・10g
作り方
新米のガトー仕立て ガナッシュショコラソース ヘーゼルナッツオイル風味 新米のガトー仕立て ガナッシュショコラソース ヘーゼルナッツオイル風味 新米のガトー仕立て ガナッシュショコラソース ヘーゼルナッツオイル風味

<新米のガトー仕立て>

  • お鍋を熱してからバターを加え、みじん切りした玉ネギをソテーし、キツネ色なったら新米を加えてさらに炒める。
  • お米が透明になってきたら白ワインを注ぎ、煮つめていく。
  • グラニュー糖・オレンジの皮とヴァニラビーンズを加え、温めた牛乳を3回に分けて加える。
  • 最後に卵黄で濃度とコクを出し、塩・胡椒して、ラム酒と刻んだマロンを加えて冷ましておく。

<ガナッシュショコラソース>

  • お鍋に生クリームを沸かし、そこへ刻んだショコラを一気に加え良く混ぜ合わせ、 ヘーゼルナッツオイルとバターをつなぎ合わせて冷ます。

    ※最後に新米のガトー仕立てにガナッシュショコラソースを垂らして出来上がり。
新米のガトー仕立て ガナッシュショコラソース ヘーゼルナッツオイル風味
田島シェフのひとこと

お米のデザートは、その食べ応えのある食感が命。作り方の工程で、牛乳を3回に分けて加え練り上げる工程があるのですが、あまり練り上げ過ぎると「おじや」になってしまうので、必要以上にかき混ぜないことが大切です。

「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立て
洋ナシの赤ワイン煮 サバイヨンクリームソース レモンタイムオイル風味
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<洋ナシの赤ワイン煮>

  • 洋ナシ・・・4個
  • 赤ワイン・・・1.5リットル
  • マデラーワイン・・・200cc
  • グラニュー糖・・・500g
  • 黒粒胡椒・・・適量(※2つまみ程度)

<サバイヨンクリーム>

  • 卵黄・・・4個
  • グラニュー糖・・・40g
  • 水・・・20cc
  • シナモンパウダー・・・2~4g
  • 白ワイン・・・40cc

<レモンタイムオイル>

  • レモングラス・・・3~4本
  • タイム・・・3~4本
  • レモンの皮・・・2枚
  • オリーブオイル・・・30cc
作り方
洋ナシの赤ワイン煮 サバイヨンクリームソース レモンタイムオイル風味 洋ナシの赤ワイン煮 サバイヨンクリームソース レモンタイムオイル風味 洋ナシの赤ワイン煮 サバイヨンクリームソース レモンタイムオイル風味

<洋ナシの赤ワイン煮>

  • 洋ナシ以外の材料を一度沸騰させ、そこに皮と芯を取り除いた洋ナシを入れ、軽く煮ておく。
  • [1]をそのまま冷まし、冷蔵庫で落ち着かせる(※2~3日間が目安)

<サバイヨンクリーム>

  • ボールにすべての材料を合わせ、湯せんしてホイップする
  • ツヤが出てクリーミィになったら(※“の”の字が書けるようになったら)、ボールごと氷水で冷ましておく。

<レモンタイムオイル>

  • すべての材料を合わせ一度高温に加熱してから、そのまま冷ましておく。

    ※最後に、レシピ通りに仕上げたサバイヨンクリームとレモンタイムオイルに、30ccのホイップクリーム(※冷蔵庫で冷やしておく)を混ぜ合わせてソースとして完成させ、洋ナシに添えて出来上がり。
洋ナシの赤ワイン煮 サバイヨンクリームソース レモンタイムオイル風味
田島シェフのひとこと

ひと手間はかかりますが、洋ナシに味の深みを持たせるためには、赤ワインで煮込んだあとに2~3日間、冷蔵庫で寝かせることが必要になります。見映え的にも、洋ナシを赤ワインの色で完全に染め上げるためには、その位の時間は寝かせなければいけません。

洋ナシの赤ワイン煮 サバイヨンクリームソース レモンタイムオイル風味
「ルネッサンストマト」のムースと「チュイル・ダンテル」  オレンジ&バジルオイル仕立て

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