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一流シェフから、素敵なレシピをご提案いたします

「技あり!ヘルシーフレンチ講座」では、植物油を使ったフランス料理をテーマに、皆様に旬な味わいのレシピをお届けしています。“植物油でフレンチ?”と首をかしげる方がおられるかもしれません。また、“フランス料理は好きだけど、バターは味が重くってね!”と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。

新しいテーマに挑むのは、東京・六本木の「開運 お福ラジオ」料理長の田島加寿央シェフ。本場でフランス料理を学び、いくつかの厨房で修行を積んだ新進シェフは、日本各地の特産物を厳選し、“ロハス&ナチュラル”をコンセプトに、和とフレンチの新たな融合という課題にチャレンジされています。その田島シェフが、植物油を用いたヘルシーなフランス料理のレシピを皆様にご紹介。同じ素材、同じ料理でも、植物油を変えることで見事に味わいが変化する妙も、ぜひ味わっていただきたいところです。

レシピには、素材に“○○産”という形容詞がしばしば登場しますが、各地のすぐれた素材を植物油でアレンジし、素材にひそむチカラを最大限に引き出すのが田島シェフの基本テーマです。無論、皆様の身近にある旬の素材を用いていただければ、シェフも顔負けの味を引き出すことができるのではないでしょうか。ヘルシーフレンチで植物油の新しい魅力を発見してください。

さあ!Let' try!

[Vol.4] 旬の肉と魚の味覚をヘルシーに堪能できます。お歳を召した方にもおすすめのレシピ
田島シェフの一言「田島亭」オーナーシェフ 田島 加寿央(たじま・かずお) 田島 加寿央(たじま・かずお)
鳥取から東京に活躍の場を移されましたね

料理の修業をさらに積み重ねる過程で東京に拠点を移しましたが、鳥取では全てが初体験で、多くのすばらしい素材に巡り会ったことは、私にとってこの上ない幸せでした。お世話になった皆様に心から御礼を申し上げます。

東京に参りますと、各地の選りすぐりの食材が得られるので、鳥取とは異なった新鮮味を感じています。これまでと同様に、素材にひそむ“チカラ”を最大限に引き出していく、という基本方針で修行を積みたいと考えています。これからも、全国の地名やブランドを大切にしながら、皆様の心が躍るような、感動を与えられるようなレシピづくりに取り組んでいきたいと考えています。

今回のテーマは「お歳を召した方にもおすすめのレシピ」ということですが

先日、栄養学者の方と対談させていただく機会がありまして、たとえ年齢を重ねても、植物油や動物性のタンパク質を摂ることが健康維持のために必要なことを再認識しました。ただ、量的には過剰に摂るべきではありませんから、今回のレシピでも、たとえば肉をオーブンにかけてじっくりと焼き上げることで、脂分を落とすという工夫をほどこしています。

和とフレンチが融合したレシピという印象です

そのように受け取っていただけると幸いです。たとえ和のイメージを強く感じる素材でも、植物油をじょうずに使うことで、味わいのあるお洒落なフレンチに仕上がります。また、メインの素材の味わいをうまく引き立てることを念頭に、きのこ類やレンコンなど、旬な野菜選びにも十分に配慮しました。

プロフィール

1966年千葉県松戸市生まれ。調理師専門学校卒業後、赤坂プリンスホテルのメインダイニング「ル・トリアノン」にて5年の修行ののち渡欧し、
スイス、フランスの本場フレンチを学び帰国。
東京・青山にある会員制ホテル「ウラク青山」のメインレストラン「ジョアン」の料理長などを経て、この3月からは、千葉県・松戸市にオープンした
「田島亭」のオーナーシェフとして腕を振るっていく。

田島シェフがオーナーシェフの「田島亭」のご案内
花巻産プラチナポークの味噌漬け天火グリル焼き 彩りきのこのソテーマリネ添え
作り方
  • “味噌マリネ”は、長ネギ、生姜をミキサーでピューレにして、そこへ上白糖、醤油、白味噌の順に加え、最後にピュアオリーブオイル、ごま油で風味を出し、仕上げに少量のカイエンヌペッパーと山椒パウダーをまぶし、一晩冷蔵庫にて落ち着かせる。
  • プラチナポークをキッチンペーパーに包み、上記の“味噌マリネ”を薄くぬってコーティングし、さらに一晩冷蔵庫で寝かせる。(※キッチンペーパーは、肉を傷つけることなく味噌の風味を染み込ませることが狙い。お肉に味噌が付くと焼く際に焦げてしまうので、付かないように注意)
  • 盛り合わせのきのこ類をカットし、ピュアオリーブオイルを注いでフライパンでしっかりとソテーしてから、ニンニクとエシャロットを加えて更にソテーする。そこへ塩・コショウをしてから酢を加え、仕上げにごま油で香り付けをして冷ましておく。
  • 冷蔵庫からプラチナポークを取り出し、オーブンでじっくりと焼いて脂分を落とす。
  • お皿にプラチナポークを並べ、きのこ類を飾りつけて出来あがり。
    材料(4人前)
  • <味噌マリネ>
    • ※岩手県花巻産プラチナポーク(肩ロース)・・・120g×4枚
    • 白味噌・・・500g
    • 上白糖・・・100g
    • 長ネギ・・・2本
    • ピュアオリーブオイル・・・220cc
    • ごま油・・・30cc
    • 生姜・・・60g
    • 醤油・・・20cc
    • 山椒パウダー・・・適量
    • カイエンヌ(唐辛子)ペッパー・・・適量
    ※花巻産のプラチナポークは白金豚とも呼ばれ、柔らかいジューシーな味わいが特徴。
  • <彩りきのこのソテー>
    • きのこ各種(椎茸・マッシュルーム・しめじ・エリンギ)・・・各1パック
    • ニンニク・・・2片
    • エシャロット(または玉ネギ)・・・1ケ
    • ピュアオリーブオイル・・・適宜
    • ごま油・・・20cc
    • 酢・・・10cc
    • 塩・・・適宜
    • コショウ・・・適宜
花巻産プラチナポークの味噌漬け天火グリル焼き 彩りきのこのソテーマリネ添え
今回のポイント
花巻産プラチナポークの味噌漬け天火グリル焼き 彩りきのこのソテーマリネ添え

“味噌マリネ”を冷蔵庫に寝かせる意図は、長ネギや生姜の刺々しさを和らげることにあります。

一般的に味噌漬けは味が濃いイメージですが、ピュアオリーブオイルには、お肉に照りを出しながら塩分を和らげていく効果があります。

また、オーブングリルには脂分を落としやすく、掃除もしやすいという利点がありますし、最近のものはとても使いやすくなっていますから、ご家庭でも、この料理に限らずオーブングリルをご活用されることをおすすめします。

秋鮭の昆布〆マリネ&コシヒカリと柿のサラダ 梅干バルサミコドレッシングがけ
作り方
  • 秋鮭は塩・コショウを軽く振ってから、一晩かけて昆布〆をしておく。(※昆布〆とは、昆布のうま味や香りを魚などの材料にしみこませる手法。材料に塩をふりかけ、昆布の間にはさんで重石をするのが一般的)
  • コシヒカリのご飯はあら熱をとり、冷ましながら赤ワインビネガーと塩・コショウ、ピュアオリーブオイルを加え、そこに5mm角にカットした柿と、みじん切りのピクルスとニンニクを加えて味を整える。仕上げにパセリのみじん切りを加える。
  • レンコンは皮をむき素水で一晩かけてアクヌキをして、薄くスライスしてから水気を十分に切って160℃前後のサラダ油で揚げる。
  • お皿に秋鮭のマリネ、コシヒカリのサラダ、レンコンの素揚げを飾りつけ、お好みで梅干ドレッシングをかけて出来あがり。
    材料(4人前)
  • <秋鮭のマリネ>
    • 秋鮭・・・150g
    • 昆布・・・1枚
    • 塩・・・適宜
    • コショウ・・・適宜
  • <コシヒカリと柿のサラダ>
    • 茨城県産コシヒカリ・・・1合
    • 柿・・・1ケ
    • ピクルス・・・2本
    • 玉ネギ・・・1/4ケ
    • パセリ・・・適量
    • ニンニク・・・適量
    • 赤ワインビネガー・・・15cc
    • ピュアオリーブオイル・・・30cc
    • ごま油・・・5cc
  • <梅干ドレッシング>
    • 梅干・・・3ケ
    • バルサミコ酢・・・20cc
    • ピュアオリーブオイル・・・60cc
  • <飾り用>
    • レンコン・・・50g
    • サラダ油・・・適量
秋鮭の昆布〆マリネ&コシヒカリと柿のサラダ 梅干バルサミコドレッシングがけ
今回のポイント
秋鮭の昆布〆マリネ&コシヒカリと柿のサラダ 梅干バルサミコドレッシングがけ

秋鮭はツヤがあってウロコが新鮮なものを選んで欲しいですね。一般的に「雌」の方が美味しいと言われています。

サラダについては今回、柿を選択しましたが、お米とフルーツは全般的にすごく合う組み合わせで、彩りに加え食感を楽しむことができます。

また、秋鮭とお米のサラダは、それぞれを個別に食すのではく、お寿司の感覚で海苔やサラダ菜などに巻いて召し上がると、一段と美味しく感じるのではないでしょうか。

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