油屋店主・青木絵麻のおうち油レシピ バックナンバーはこちら
油屋店主・青木絵麻のおうち油レシピ

油屋店主・青木絵麻のおうち油レシピ毎日の夕食、不意のお客様へのおもてなし、晴れの日の献立‥‥、
おうち料理は私たちを健康に保つ上で最も大切なお料理です。そしてどんな料亭やレストランでもかなわないほど豊かなものですね。だから毎日のメニューを考えることは、とても創造的なおしごとです。植物油はそんな大切なおしごとをされる皆の優しいパートナーになりたいと願っています。
でも、どうすればおうちで植物油を上手に使えるの?そんなお悩みにお答えするのが、このコーナーです。
いつものお料理が、何気ない工夫で一段と美味しく、奥深いものに変身するかもしれません。気がつけば、当たり前のような植物油の利用法。 それで、皆様の食卓が、豊かで楽しいものになることを願っています。
レシピをご紹介いただくのは、創業100余年を数える東京・浅草橋「金田油店」のネット部門店長で、植物油を知り尽くしている青木絵麻さん。原料や製法によって香りや味わいがまったく異なる植物油の魅力が、青木さんの自由な発想と旬な食材によって見事に開花しているレシピを、隔月のシリーズでお届けいたします。
いつものスタンダードなお料理も、植物油の選び方や使い方次第で、旬な食材がおいしさを増し、皆様のレパートリーがぐっと増えた印象になるのではないでしょうか。 ぜひ今晩のおかずからチャレンジされてみてはいかがでしょうか?

[第5回] おせち料理のあとは、旬の食材を植物油でさっぱり爽やかに!
青木絵麻(あおき・えま)
一品目は牡蠣と生麩のコラボレーションですね?

「旬を迎えた牡蠣のうま味が、生麩に絡む一品です。生麩のもっちりとした食感に、牡蠣のエキスがじんわりと染み込み、白味噌も隠し味としてよく利いています。生麩ってオーブンで焼くと、合わせた食材の出汁(だし)を吸収して膨らんでくるんですよ。お正月料理も食べ尽くされた頃かと存じますが、お餅ではこうはいきません。牡蠣の出汁(だし)とセロリを主体としたソースとの出逢いは、この簡単さが信じられないほど、とっても美味しく仕上がります」

一品目に使用されたブレンド油は、どのような植物油なのでしょうか?

「手前味噌で恐縮ですが、私どもの会社で販売している油を使用しました。この油は「綿実・とうもろこし・米・胡麻・オリーブ」の五つの植物油をブレンドして作るオリジナルの植物油です。ピーナッツオイルなどは独特の風味が強いので個性を感じますが、普通のサラダ油は淡白で、それ自体のうま味が感じられるものは少ないですよね。このブレンド油は、普通のサラダ油のような軽い感じですが、コクがあって香り高く、ブレンドしたそれぞれの植物油の長所や栄養、そして美味しさが重ね合わさっています。ご紹介した料理だけでなく、サラダドレッシング、炒め物、揚げ物まで幅広くご利用いただける油ですので、ぜひ一度お試しいただきたいと思います」

二品目は大根の新鮮な味わいを引き出しているレシピですよね?

「寒さが厳しくなる折、美味しさの詰まった旬の大根をシンプルに食べられるようにと考案してみました。干して旨みが凝縮した大根と生のフレッシュな大根をあわせた、新感覚の食感を是非お楽しみください。大根がレモンオリーブ油を活用したドレッシングの柑橘系の爽やかな風味をたっぷりと吸収して、新鮮な味わいを引き出しているのではないかと思います。大根の美味しさは何といっても“みずみずしさ”ですからね」

プロフィール
東京・浅草橋で明治3年より続く「金田油店」(金田商事株式会社)のネット部門店長で、ニックネームは“油売りエマ”。
“植物油のコンシェルジュ”として店頭に立つ一方で、ネットショップの店長としての活躍も目覚ましく、全国イーコマース協議会主催「ベストECショップ大賞2008」で「Eストア賞」を受賞。全国の“お取り寄せ”情報の収集をはじめ、新しい調味料の発見や、美味しい外食店の発掘など、幅広いライフワークを持つ元気人。著書の「油屋ごはん」(発行:アスキーメディアワークス)には、毎日の晩酌にぴったりのおつまみレシピが充実。

油のネットショップ「金田油」のご案内
牡蠣と生麩の和風グラタン
作り方
  • 生牡蠣とスライスした生麩をブレンド油でさっと炒めてからグラタン皿へ入れる。
  • 同じ鍋でセロリを炒め、小麦粉を振って粉っぽさがなくなったら、味噌と豆乳を混ぜて少しトロリとさせる。
  • 【1】へ【2】のソースとチーズをかけて、焦げ色がつくことを目安(※190~200度で10分程度)にオーブンに入れて出来上がり。※オーブンではなく、トースターでもOK
    材料(2人分が目安)
    • 生牡蠣・・・4~6粒
    • 生麩・・・1cmスライス4切れ
    • セロリ・・・微塵切り大さじ1
    • 小麦粉・・・小さじ半分
    • おろしチーズ・・・適量
    • 白味噌・・・小さじ1
    • ブレンド油・・・大さじ1
ポイント“油売りエマ”のひとこと…

「セロリのソースは、特に魚介類との相性がバッチリ。牡蠣の他では、白身魚や海老などとも組み合わせていただくことをおすすめします」

牡蠣と生麩の和風グラタン
切り干し大根と生大根のサラダス
作り方
  • 切り干し大根は10分程度水につけて、戻してしぼっておく。
  • 生大根は細切りにして塩を少々ふり、しんなりしたら水気を軽くしぼる。
  • 【1】と【2】、ざく切りの三つ葉、干し海老、レモンオリーブ油とポン酢を混ぜて出来上がり。
    材料(2人分が目安)
    • 切り干し大根・・・20g
    • 生大根・・・60g
    • 干し海老・・・小さじ2
    • レモンオリーブ油・・・大さじ1
    • ポン酢・・・大さじ1
    • 塩・・・少々
ポイント“油売りエマ”のひとこと…

「切り干し大根のシャキシャキの食感と、みずみずしくジューシーな生大根のハーモニーが病みつきの一品。お正月が終わったら、ヘルシーなメニューがいいですよね」

切り干し大根と生大根のサラダ
このページを印刷する