一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

お知らせ

 植物油製造業における容器包装3R推進のための自主行動計画

平成18年5月16日策定 (社)日本植物油協会

~植物油製造業における容器包装3R推進のための自主行動計画を策定いたしました~

日本植物油協会では、去る5月16日の理事会において、容器包装の3R(リデュース:減量化、リユース:再利用、リサイクル:資源の再利用)に貢献するという観点から、「植物油製造業における容器包装3R推進のための自主行動計画」を策定いたしました。

1.はじめに

今日の食品産業においては、安全で消費者に安心していただける食品の供給とともに、国内あるいは国際的規模で生じている環境問題の克服に貢献することが喫緊の課題となっている。

このような基本理念の下、植物油製造企業においては、社会構造や食生活構造の変化に伴う多様な市場ニーズに応じた植物油の安定供給を進めるとともに、環境問題克服へ向けた取り組みを進めている。

また(社)日本植物油協会(以下「協会」とする)においては、地球環境保全のためのCO2削減やゼロエミッションの実現に向けて「製油産業環境自主行動計画」を定め、この計画に基づき、会員企業においてエネルギー利用削減の努力を続けている。

これに加え、「容器包装に係る分別収集と再商品化の促進等に関する法律」(いわゆる容器包装リサイクル法)が改正されるに当たり、同改正法の基本理念である容器包装類の3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進に積極的に貢献するという視点から、次のとおり「植物油製造業における容器包装3R推進のための自主行動計画」を定め、植物油製造業において利用される容器包装類の減量化の一層の推進を図ることとする。

2.植物油製造業における容器の特徴と3R推進の現状

食品の容器包装には、内容物の安全性の確保と品質の保持のための十分な強度、消費者にとって必要な表示等の情報を記載するための表面積が求められる。

特に、植物油は賞味期限が1年~1.5年と長いことから、その容器は、気体の非透過性、耐湿性、耐光性、長期的な耐久性等が必要とされるという製品特性を有している。

このような特質による減量化の困難という課題を抱えているが、植物油製造企業においては、これまでも容器の減量化、薄肉化、減容化やはがしやすいラベルの工夫等に努めてきた。その結果、主な会員企業の代表的な家庭用商品の容器について、次の事例に掲げるような減量化を達成してきた。

【容器の減量化の動向(事例)】
プラスチック容器1本当たり重量削減率 削減率
(1,500g容器)
95年:70g→04年:64g
00年:70g→05年:61g
92年:70g→02年:65g
(1,000g容器)
95年:62g→04年:49g
(700g容器)
03年:33g→05年:27g

▲8.6%
▲12.9%
▲7.1%

▲21.0%

▲18.2%
注:日本植物油協会の主な会員による容器減量化事例である。
3.自主計画策定に当たっての留意事項

改正容器包装リサイクル法は、容器包装の3R推進を基本理念としている。しかし、植物油の容器については、製品の特質上洗浄が容易ではなく、無理に洗浄を行う場合には洗剤及び洗浄水の大量使用や、それらによる水質汚染という二次的環境負荷を生じる懸念が大きいことから、3Rのうちリユースを実施することは断念せざるを得ない。

また、再商品化(リサイクル)に関しては、当協会が加入している容器包装リサイクル協会及びプラスチック容器包装リサイクル推進協議会において、プラスチック類の総合的なリサイクルを検討することが効果的であるため、今後ともこれらの検討に積極的に取り組むことにより、リサイクル推進に貢献することとする。

このような整理に基づき、本自主行動計画は“容器包装の減量化”を主たる課題とする計画として策定する。

4.容器減量化推進の自主行動計画

( 1 )対象とする容器素材は、プラスチック類とする

協会の会員企業が供給する容器素材は、プラスチック、PET、ガラス、金属、紙と様々であり、各社の製品特性により使い分けがなされている。このため、これらを包括した減量化目標を示すことはきわめて困難である。
このため、容器の主力を占める“プラスチック類”を基準として目標を定め、その他の容器に関しては、プラスチック類容器に準じるか、もしくは、それぞれの素材に関するリサイクル団体の定める目標を参考として減量化に努めることとする。

( 2 )減量化の目標は単位当たり重量の減量とする

家庭用植物油市場は社会構造の変化に伴い以下に示すような変動を続けている。

このため、容器の発生総量の減量化を図ることは、企業の努力目標が不明瞭となり、減量化への取り組み努力が結果として現れないことが懸念されるため、単位当たり(植物油容器1本当たり)の減量化を目標とすることが適切である。

1 食用植物油の国内需要量のうち家庭用の供給量は、少子高齢化の進行、食の外部化等による食生活構造の変化により減少するという見方があり、このことは、容器の総量を減少させる方向に作用する。反面、需要が増加に転じる場合には、容器総量の減量化が拡大するニーズに対して対応する場合の桎梏となる。
2 若年あるいは高齢の単身世帯の増加は、主として商品の小口化ニーズをもたらすと見込まれるが、このことは、容器の総量を増加させる方向に作用する。
3 また、市場における競争により、会員企業間のシェアに変化の生じることが予想されるが、ある社の商品に対する強い需要がありながら、自主行動計画がその足枷となる事態は絶対に回避しなければならない。

( 3 )目標とする“単位”は、会員個々の主力製品を基準とする

家庭用植物油の主力製品は、これまでは1.5kg容器であったが、上述のような需要構造の変化に伴って主力製品の移動が始まっている。これに伴い、会員企業の販売戦略も変化を見せているため協会として“基準品”を示すことができない状況が生じている。このため、会員企業において“自主的”に標準品を定め、目標を定め、減量化に取り組むことが適切である。。

( 4 )減量化の目標年次及び目標数値

基準年次:西暦2004年度
目標年次:西暦2010年度
目標数値:各企業における主力容器について、1.5~2%の減量化を推進する

( 5 )その他推進すべき事項

次の事項について取り組み、可能なものから順次実行に移すよう努める。

1 回収しやすい減容化容器の開発、はがしやすいラベルの工夫等を進める
2 関係機関・団体及び容器製造業界と、効果的なリサイクル手法の検討を進める
3 適正な分別収集に協力できる表示のあり方について、関連産業界、関係機関・団体と検討を進める

( 6 )消費者等の協力を得るための努力

協会の自主行動計画推進に対する消費者等の理解と協力を得るため、次のような取り組みを進める。

1 協会ホームページや会員企業ホームページで3R推進の取り組みの紹介と協力の呼びかけ
2 協会及び会員企業が参画しているセミナー、講演会等の機会を活用し、自主行動計画を紹介し、理解と協力を求める
3 関係機関・団体の行うセミナー等行事への参画
5.計画のフォローアップ

協会は、毎事業年度が終了した時点で遅滞なく会員企業に対し、自主行動計画実行に関する報告を求め、その結果をとりまとめ、必要に応じて公表する。

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