一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。
油が酸化する大きな要因として熱・空気(酸素)・光があり、さらに酸化を促進する物質の混入が影響します。従って保存に際してはこれらを遮断することが必要です。
包装された商品においては容器の材質が品質に大きく影響を及ぼします。特に3つの要因の中では、光の影響が大きいので、透明な容器の保存に際しては暗所に保存します。
食用油の標準賞味期間を次に示します。これをもとに各社が自社の品質を評価・検討後、賞味期間を決定し、各商品に賞味期限が表示されています。
なお、ごま油は酸化・風味安定性が良いので、これらより半年長く設定しています。
缶・着色ガラス瓶・紙容器:製造後約2年
無色ガラス瓶 :製造後約1年半
プラスチック容器 :製造後約1年
標準賞味期間は食品としての風味適正と化学的な数値によって判断されます。日本植物油協会では多数の保存サンプルを評価し、それらの風味が5点法評価で3点(おいしく食べられる)を下回らない期間を賞味期間としています。風味以外の項目で、保存により多少変化するものとして酸価・過酸化物価や揚げ物の風味も調べましたが、一番短期間に不合格になったのは風味でした。
ボトルキャップをきっちり閉じ(缶の場合は蓋がなければラップなどでシールします)、虫や異物が混入しないようにして暗所に保存します。
揚げ油は濾過または揚げ粕が沈降後、上澄みを保存容器に入れ、虫や異物が混入しないようにシールし暗所に保存しますが、揚げた後の油は、使用前の油より品質劣化が早く進むので、極力早めに使用します。
なお揚げ物、炒め物をうまく組み合わせて、捨てる油がないように使い切ることが大切です。