一般社団法人 日本植物油協会 社団法人日本植物油協会は、日本で植物油を生産している企業で構成している非営利の業界団体です。

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植物油の道

2.世界の植物油生産と貿易

(1)植物油の生産

 世界の植物油生産や貿易量に関しては、前述の10油糧種子から得られる油に、果肉から抽出するパーム油とオリーブ油、副産物利用のとうもろこし油を加えた13種の植物油の統計が整理されています。

図6 主な植物油の生産量の推移

(単位:千トン)

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資料:図1に同じ

 2013/14年の植物油の生産量は全体で1億7,413万トン、このうち、パーム油が5,936万トン、大豆油が4,444万トンで、この2つの油種が世界の植物油市場を主導しています。日本で最も多く生産・消費されている菜種油は、世界では第3番目に多い植物油となっています。

 主な植物油の生産量を油種別にご紹介しましょう。

大豆油
 大豆油は、世界最大の大豆生産国であるアメリカが同時に最大の大豆油生産国でもありましたが、最近では中国が膨大な大豆を輸入して搾油することとなり、アメリカを追い抜く存在となりました。以下、ブラジル、アルゼンチンと続き、上位5カ国で総生産量の8割を占めています。このうちアルゼンチンは、大豆より大豆油の輸出を優先する施策を取っていることから、ブラジルの生産量を上回ることもあります。

菜種油
 菜種油の生産も、主要な菜種生産国が上位を占めています。最大の生産国である中国は、2008/09年を境に菜種油の生産が増加していることが特徴的です。中国の菜種搾油工場は菜種の生産地である内陸部に立地していましたが、2008年から中国の沿岸部にも輸入菜種を搾油する工場が建設され、ここでの搾油が開始されたことによるものです。しかし、2010/11年には減少に転じました。これは、カナダから輸入する菜種が黒足病(Blackleg)の病原体を運び、中国国内の菜種生産に打撃を与えるとの理由で輸入の制限を行ったことによるものです。その後、中国・カナダ間の協議により、国内産菜種に影響を及ぼす懸念がないとされる港湾での輸入を認めたことから、その後は増加に転じています。

 EU諸国は、ここ数年拡大するバイオディーゼル需要(後述)を菜種油で満たすため、ドイツやフランスで菜種油の生産が増加しています。

 世界の菜種供給国となったカナダでは、国内における菜種油生産設備の増強が進んでおり、菜種油の生産が着実に増加しています。

 日本においては、菜種油の需要が底堅いことを反映して、菜種油の生産が増加する傾向にあります。

パーム油
 パーム油の生産は2006/07年にインドネシアがマレーシアを追い越し、世界最大の生産国となっています。インドネシア、マレーシアの2か国で世界の生産量の85%を占めています(2013/14年)。パームはアフリカ原産の熱帯性の永年性樹木(常緑樹)で、一度植栽すると概ね40年間は高い生産力を保持するとされています。また、年間を通じて絶えず果実の収穫が可能です。このため、1年1作の油糧種子とは異なり、生産面積当たりの油の生産性が極めて高いという特徴があります。油糧種子の中で油分が相対的に高い菜種でも、1haの収穫面積から生産される菜種油は800kg弱に過ぎません。これに対し、収穫面積1ha当たりのパーム油生産量は3.7トンに達します。しかし、経済的生産樹齢(約40年)を超えると生産力が低下しますのでパーム樹の改植が必要となりますが、パーム油の価格高が続くと生産者は一時的に収入がなくなることにつながる改植を控えることとなります。

 パーム油の高い生産力に着目し、原産地であるアフリカでは、産業振興の起爆剤の一つとするとの考え方からパーム生産を増加させる動きが広がっています。パームの生産は温暖多雨の気候条件が必要で、南北の緯度10度の範囲が栽培適地とされています。このため、この気候条件に適するタイなどの東南アジア、アメリカ南部、中米諸国でもパームを栽培する動きが広がっています。

 その他の油種も含め、最近の油種別・国別の植物油生産量を表3に示しました。

表3 主な植物油の国別生産量の推移

(単位:千トン)

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資料:図1に同じ

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