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【和ろうそくの原料と作り方】
和ろうそくは、ハゼの木の実からつくる木ろう(ハゼろう)だけで製造したものが最上とされます。
油煙がきわめて少なく、燃え方が美しいことに加え、風が吹いても消えにくいのがその理由ですが、近年はこのハゼの実の採取量が減少しているため、米糠油、パーム油、とうもろこし油、菜種油といったおなじみの植物油が用いられるようになりました。
しかしながらその一方で、和ろうそくと称しながら、パラフィンろうを使った製品も販売されているようです。
また、西洋ろうそくを大量生産しているメーカーでは、先々石油の安定供給に不安があるとして、数年前に植物油を原料とした製品を開発しています。
このように原料面だけを見れば、和洋のろうそくはボーダレス化しているようにも思えますが、ほとんどが手づくりによる和ろうそくは、やはり伝統工芸品としての存在感を示しています。
和ろうそくの作り方は、型に木ろうを流し込む方法と、生掛け(きがけ)といって木ろうを塗り重ねていく方法の二種類があります。
どちらも熟練の技を要しますが、よりむずかしいのは生掛けのほうで、イグサ科の灯芯草などでつくった芯に、溶かしたろうを手で幾層にも塗り重ね、上塗りをしたあと、両端を切りそろえて仕上げます。根気と正確さが要求される作業です。
【和ろうそくの歴史】
ろうそくは、西洋や中国では紀元前から作られていました。ミツバチの巣を原料とする蜜ろうそくです。奈良時代に仏教とともに日本に渡来したのが、この蜜ろうそく。ちなみに「ろう」を漢字で書くと虫偏の「 」ですが、つくりは一カ所にものが集まることを意味し、まさしく蜜ろうを指す文字です。
輸入品に頼らずに、日本でろうそくの生産が始ったのは室町時代からです。当時はたいへんな貴重だったので、宮廷、貴族、一部の寺院でしか使用されませんでした。
江戸時代中期以降、ろうを搾り取る漆(うるし)やハゼの木の栽培が各藩で奨励されると、生産量は大きく伸びました。そうは言っても、高価な照明であることに変わりなく、民衆の日常生活で使われることはあまりありませんでした。
広く全国に普及するのは明治時代に入ってからで、西洋ろうそくの国産化が始まってからです。同時に和ろうそくは、用途が儀式に限定され、減産を余儀なくされました。その後、“明かり"の主役は、ガス灯や石油ランプ、そして電灯と目まぐるしく入れ替わっていったのです。 |