特集2私たちを取り巻く油脂製品
 植物油を作る過程、また作られた植物油からさらに加工が加えられて、実に多様な油脂製品が生まれます。 いずれも私たちの生活に欠かすことのできない油脂製品です。

 植物油を作る過程で出た副産物はいろいろな形で利用されています。また、油となったものを加工し、さまざまな油脂製品が作られます。油脂製品は食料品に限らず、気づかないところで私たちの生活を支え、豊かなものにしてくれています。私たちの生活を取り巻く、ふだんあまり気づかない油脂製品の数々を紹介しましょう。

◆植物油の製造過程で誕生する油脂製品たち ~大豆油を例に
 原料から植物油が製造される過程を通して、実に様々な製品が生まれます。大豆油を例にあげてみてみましょう。
 大豆は、大豆油の原油とそれをしぼったあとの「脱脂大豆」に姿を変えます。原油は精製されて「精製油」となりますが、その過程で生まれたレシチンはマーガリンや柔軟剤などに使用され、ソーダ油粕は石鹸にもなります。精製油からは、サラダ油などの食用油、グリースなどの潤滑油、塗料、印刷インキ、石鹸の原料となる脂肪酸、医薬品などに用いられるグリセリンなどが作られます。
 他方、原油を取り除いた脱脂大豆からも様々な製品がつくられています。脱脂大豆は飼料としての利用が多いのですが、加工食品の原料としても幅広い用途があります。
 脱脂大豆を加工して食品の原料としている代表例は、しょうゆと大豆たんぱくがあげられます。大豆たんぱくを利用した食品には、豆腐、油揚げ、から揚げをはじめ、パン、ドーナツ、ハム・ソーセージ、麺類などがあります。これらは、吸水作用を応用して老化を遅らせる、漂白作用、食感がよくなる、材料を付着させるなど大豆たんぱくの持つ様々な機能を活用しているのです。また、最近では健康食品などの加工食品のタンパク質強化のためにも大豆たんぱくは用いられます。
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