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  これらの期待に応え、植物蛋白の生産量は当初は急速に増加しましたが、ある時期から頭打ち状態となりました。農林水産省の調査によれば、平成21年度植物蛋白の生産出荷量は、66,880トン(大豆蛋白が44,492トン、小麦蛋白が22,389トン)でした。この生産量には、輸入された4万トン弱の植物蛋白を加工して最終製品にしたものを含んでいます。この数値はこの10年余り大きく変動していないのが特徴です。当初の期待からすれば少し物足りない水準かもしれませんが、供給量が安定していることには理由があります。  一つは小麦粉や植物油の需要が安定的に推移しており、したがって植物蛋白の生産もこれに併行していることが挙げることができます。二つ目には植物蛋白食品の主な用途が畜肉・魚肉練り製品であり、これらの供給量が安定していれば、植物蛋白食品の需要も安定することを挙げることができます。
  しかしこれらのことは、植物蛋白食品そのものが主導的に市場を形成できないということをも意味することになります。 【 表1 最近の植物蛋白生産出荷量 】
 
 
 (単位:トン) 
| 年度 | 形状別生産量 | 出 荷 数 量 |  
    | 繊維・粒状 | 粉末状 | 合計 |  
    | 大豆系 | 小麦系 | 大豆系 | 小麦系 | 大豆系 | 小麦系 | 合計 |  
    | 19 | 19,073 | 9,618 | 22,396 | 11,790 | 62,877 | 42,023 | 16,960 | 58,983 |  
    | 20 | 20,356 | 10,815 | 22,315 | 11,342 | 64,829 | 42,798 | 15,839 | 58,637 |  
    | 21 | 21,932 | 10,174 | 22,560 | 12,215 | 66,880 | 43,888 | 15,315 | 59,203 |  資料:農林水産省「植物性たん白の生産量等調査 注:(1)繊維・粒状にはペースト状のものを含む。
 (2)生産量には、輸入した植物蛋白を加工して生産された製品も含む。
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