(1)強い農家の生産意欲
カナダは中国に次ぐ世界第2位の菜種生産国であり、国際貿易においては世界最大の輸出国となっています。日本で消費される菜種のうち80~90%がカナダから供給され、日本の植物油供給を決定する要因となっています。このため、1977年以来、官民共同の日加菜種協議が開催され、カナダから日本への菜種の安定供給に大きい役割を果たしてきました。
今年は、去る7月17日に第31回日加なたね予備協議が開催され、この席で、2007/08年産の菜種の需給予測が示されました。
その前に、カナダ統計局が昨年実施した農業センサスに基づき、2006/07年産の菜種作付面積と生産量が修正されました。2006/07年の作付面積は、1,327万6千エーカー(537万ヘクタール)から1,242万2千エーカー(503万ヘクタール)へ、菜種の生産量は、9,105千トンから8,514千トンへとそれぞれ下方修正されました。
これに対し、本作物年度(2007/08年)の作付面積は前年より17%増の1,458万6千エーカー(590万ヘクタール)となり、農家の菜種生産意欲が強いことが示されました。カナダの菜種生産地域(西部平原3州)は、小麦、大麦などが栽培され、これら作物間の収益性の差異が農家の作付を決定する大きい要因となっています。菜種は、他の作物に比べ、種子や肥料のコストが高いという難点がありますが、この1~2年間の高価格は高コストを補い、農家に高い収益性を保証してきました。播種時期の土壌水分が十分であったことと併せ、農家の菜種作付意欲は、これまで以上に高まっていたようです。
この面積に基づき、平常の単位面積当たり収量が確保されると想定して、2007/08年の菜種生産量は985万トンと史上最高の見込みが示されました。
【 表1 2007/08年産菜種の州別生産予測 】
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