国際化の荒波の中で模索を続ける台湾の製油業
2、域内の植物油生産量は漸減 ― パーム油など輸入植物油が急増 ―

 台湾は、日本と同様に油糧種子の域内生産量がほぼ皆無のため、搾油原料を海外に依存しています。この中で最大の大豆の圧搾数量は、かっては250万トンを超える時期もありましたが、輸入油の増加につれ漸減し、2003年からは200万トンを下回っています。これは、1997年の口蹄疫大発生(後述)と2002年のWTO加盟を契機として畜産物の輸入が増加するに伴って域内の畜産業が後退し、主要な飼料である大豆ミールの需要が減少したことが背景にあります。これに伴って域内植物油生産も減少することとなり、これを補う形で油の輸入量が徐々に増加しているものです。前述しましたとおり、輸入される植物油の過半はパーム油ですが、大豆油など他の植物油の輸入の増加する傾向にあり、台湾の植物油製造業は海外の製油資本との厳しい競争の中に置かれることとなりました。


【 表2 台湾における大豆処理量等の推移 (単位:大豆と大豆ミールは千トン、その他はトン) 】

表2 台湾における大豆処理量等の推移 (単位:大豆と大豆ミールは千トン、その他はトン)
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