植物油の消費大国は、サッカー強豪国?
 植物油の消費を正確に捉えることは難しいのですが、ここでは、食用、工業用などすべての用途に利用された植物油の量を、国民一人当たりで比較してみました。この中には、加工されて他の国へ輸出された数量も含みますから、“その国の国民が実際に消費した”ものではないことに注意が必要です。

 すると、ここでも面白い“法則”らしきものが見えてきます。
 表Bは、世界の主な国々を国民一人当たりの植物油消費量によってグループ分けしたものです。世界のサッカー強豪国とされる国のほとんどが、1年間に一人が20kg以上の植物油を利用していることがわかります。ベルギー、デンマーク、アメリカ、ポルトガルもなかなかの強豪です。どうやら、“植物油の消費大国はサッカー強豪国”という“法則”が見えてきましたね。

 最初に見た生産大国の中で、消費量が少ないのは中国、インド、ロシア、トルコなど。我が日本の一人一年当たりの消費量は18.5kgで、20 kgの大台にあと少しというところ。サッカー強豪国と称されるにはあと一歩という位置づけと奇妙に一致しているではありませんか。

 ということで、日本植物油協会は、“植物油の生産大国で消費大国であることがサッカー強豪国となる必要条件である”と大胆な法則を予想しました。

 でも、これだけでは植物油とサッカーの関連を語り尽くしたことにはなりません。もう少し植物油とサッカーの関係を追いかけましょう。
表B 一人当たりの植物油消費量(1年間)
一人1年当たり消費量区分 主な消費国
30kgを超える国
マレーシア(104.4)、 ベルギー(70.2)、 デンマーク(52.9)、 ギリシャ(47.5)、 スペイン(42.8)、 アメリカ(36.1)、カナダ(35.5)、 ドイツ(33.4)、 イタリア(32.6)、ポルトガル(31.4)、 イギリス(30.2)
20kg~29.9kgの国 チュニジア(29.6)、 スウェーデン(24.7)、 トルコ(23.9)、フランス(23.2)、 ブラジル(22.1)、アルゼンチン(21.3) 
20kg未満の国 南ア連邦(19.3)、 日本(18.5)、 メキシコ(18.4)、韓国(16.4)、 インドネシア(15.3)、ポーランド(15.0)、 ロシア(12.1)、 中国(11.0)、 インド(10.5)
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