特集1 手間ひまかけて、植物油
 植物油がどのようにして作られるか、ご存知ですか。ひとことで言えば、植物をしぼってとった油が植物油。しかし、実際はそんなに単純ではありません。よりよい油をとるために「前処理」として原料を整え、原料にふさわしい方法で「搾油」し、不要物を「精製」して取り除き、流通 用に「充填」……と、いくつもの工程を経て行われます。そしてそのひとつひとつの工程もまた非常に複雑なのです。今回は、植物油ができるまでをご紹介します。
 Step1は「前処理」。この工程は、原料の収穫直後からスタートします。まず原料は生 産地から積み出し港まで、3段階のサイロを経て出荷されます。収穫は年1回ですが、温度と湿度を調整して、次年度の収穫まで段階的に輸出し ます。日本へは数万トンクラスのタンカーで輸送され、国内の原料サイロで保管されます。  
 
搾油の前処理としてまず行われるのは、原料に混じっている茎や葉など不要物の除去。これを取り除く のは大変な手間ですが、よい油をつくるためには欠かせない作業なのです。
 不要物が取り除かれたら、品質の悪い種子を取り除き、大豆などは種子の薄皮を剥ぐなどの処理を行います。さらに油を取り出しやすくするために、適度な水分と熱を与え、荒く砕いたり、うすく押しつぶしたりします。

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