一般社団法人日本植物油協会は、
日本で植物油を製造・加工業を営む企業で構成している非営利の業界団体です。

田島シェフの「おもてなしスイーツ日和」 バックナンバーはこちら
一流シェフから、素敵なレシピをご提案いたします
ベジタブル・オイル

甘味処「ベジタブル・オイル」を開店いたしました。
皆様がおなじみのスイーツも、植物油でちょっと一工夫するだけで、
ワンランク上の“おもてなしスイーツ”に美味しく変身を遂げます。
当店はそんな新感覚スイーツで皆様をおもてなしいたします。
おもてなしするパティッシェは田島加寿夫さん。
「技あり!ヘルシーフレンチ講座」以来久々に登場していただきました。
たとえばソースに植物油を少し加えるだけで、いつものスイーツが全く新しい上品な味わいに変身し、
洗練された甘さと滑らかな食感が広がっていきます。
そんな当店自慢のスイーツ「ベジタブル・オイル」を是非お召し上がり下さい。

【第7回】オリーブオイルを使って、涼感のあるスイーツを満喫!
田島シェフ・インタビュー
田島シェフ
「田島亭」オーナーシェフ 田島 加寿央(たじま・かずお)
今回のテーマは何でしょうか?
植物油を使ってスイーツの風味を引き立てるという意図は、この企画の一貫したテーマですが、今回はフルーティなパイやゼリーでもそれは実践できるということを証明したレシピとなっています。猛暑の季節だからこそ“涼感”を楽しんで欲しい。どちらのレシピも糖分は低くはありませんが、オリーブオイルの風味が上手く溶け込んでいますので、糖分をダイレクトに感じることなく爽やかに食することができると思います。オリーブオイルはサラダなど料理全般に使えることは申し上げるまでもありませんが、スイーツ各種との相性もばっちりなので、ぜひお試しいただきたいですね。
一品目は、オリーブオイルにバルサミコ酢を組み合わせたソースですね?
「バナナの薄焼きパイ仕立て」は、バナナが焼けた香ばしさとパイが持つサクサク感のハーモニーを楽しめる訳ですが、一方で、表現はあまり良くありませんが、バナナならではの“ねちゃねちゃ感”をいかに味わっていただくかが隠れたポイントと言えるでしょう。バナナ自体に天然バターのようなコクがありますが、そこに、バルサミコ酢とオリーブオイルを絡めて“複雑化”したコクを加えていくのです。バルサミコ酢は野菜ばかりではなくフルーツにも融合してソースのベースであるオレンジの甘味を引き立てながら、本来の酸味が隠し味の役割を果たしています。そして、そこにオリーブオイルの風味が溶け込むことにより、バナナの“ねちゃねちゃ感”が奥深く、より熟成されたものに感じられる妙をお楽しみいただきたいですね。
二品目のレシピにある「パールラガー」とは、どのようなものでしょうか?
寒天でもゼラチンでもなく、まるで「くず餅」のような、トロ~リとした弾力性のある食感が特徴です。砂糖と合わせて加熱、または軽く沸騰させるだけで溶け、室温で固まり、一度固まったゼリーは室温では溶けませんので、使い勝手が良いと思います。二品目は、この「パールラガー」を使って蜂蜜やマンゴピューレなどで甘く仕上げたゼリーを、ヨーグルトのパワーで中和させながら、そこにハーブオイルの清々しい香りを組み合わせたもの。こちらも、猛暑でも爽やかに食することのできるスイーツに仕上がっていると思います。
田島シェフ・プロフィール
ベジタブル・オイル

「田島亭」オーナーシェフ
田島 加寿央(たじまかずお)

<プロフィール>
1966年千葉県松戸市生まれ。
調理師専門学校卒業後、赤坂プリンスホテルのメインダイニング「ル・トリアノン」にて
5年の修行ののち渡欧し、スイス、フランスの本場フレンチを学び帰国。
東京・青山にある会員制ホテル「ウラク青山」のメインレストラン「ジョアン」の料理長などを経て、
現在は新松戸「田島亭」のオーナーシェフとして腕を振るっている。
最近は、松戸市が主催している食育をテーマとした料理教室など、
地域に根ざしたイベントへ参画する機会が増加している。

田島シェフがオーナーシェフの「田島亭」のご案内
バナナの薄焼きパイ仕立て バルサミコ酢とオリーブオイルのソース
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<バナナの薄焼パイ仕立て>

  • パイシート・・・4枚(※市販のもの。10cm×10cmが目安)
  • バナナ・・・6本
  • グラニュー糖・・・60g
  • シナモンパウダー・・・適宜
  • 卵黄・・・1個
  • 水・・・20cc

<バルサミコ酢とオリーブオイルのソース>

  • オレンジ・・・2個
  • グラニュー糖・・・100g
  • バルサミコ酢・・・40cc
  • エキストラ・バージンオリーブオイル・・・40cc
作り方
バナナの薄焼きパイ仕立て バルサミコ酢とオリーブオイルのソース バナナの薄焼きパイ仕立て バルサミコ酢とオリーブオイルのソース バナナの薄焼きパイ仕立て バルサミコ酢とオリーブオイルのソース
  • オレンジの皮は、白い部分をピーラーできれいに削ぎ、残りは房取り(身を外す)しておき、オレンジ色のきれいな部分を千切りする。
  • [1]を一度水から火にかけ塩を少々加え沸騰させ、湯を捨て、2度目3度目と繰り返しアクを抜く。最後にひたひたの水にグラニュー糖を加え、ゆっくりと加熱し、煮詰めてからそのまま冷ます。
  • オレンジの皮(オレンジピール)だけを取り出し、そこにバルサミコ酢とオリーブオイルを混ぜソースとする。
  • パイシートに水溶き卵黄を塗り、グラニュー糖をまぶし、軽くシナモンをふる。バナナを1cm角に切り、パイシートに並べ、さらに卵黄をぬり、グラニュー糖、シナモンをふって、200℃のオーブンで15分前後焼いておく。
  • 焼けたバナナパイにオレンジピールを飾り、ソースをかけて出来上がり。
バナナの薄焼きパイ仕立て バルサミコ酢とオリーブオイルのソース
田島シェフのひとこと

バナナは出来るかぎり、黒いくらいの完熟の物を使ってください。若いバナナだと少し甘味が足りないと感じると思います。お好みでチョコチップを入れたりするのも良いかも知れません。

バナナの薄焼きパイ仕立て バルサミコ酢とオリーブオイルのソース
バナナの薄焼きパイ仕立て バルサミコ酢とオリーブオイルのソース
蜂蜜ゼリーとマンゴ&パッションフルーツのゼリー バジル&ミントのヨーグルトソース
ざいりょう材料(※4人分が目安)

<蜂蜜ゼリー>

  • 蜂蜜・・・140g
  • 水・・・380g
  • パールアガー・・・16g
  • グラニュー糖・・・25g

<マンゴ&パッションフルーツのゼリー>

  • マンゴピューレ・・・175g
  • パッションフルーツピューレ・・・125g
  • グラニュー糖・・・100g
  • 水・・・300g
  • パールアガー・・・25g

<バジル&ミントのヨーグルトソース>

  • ヨーグルト・・・100cc
  • 三温糖・・・50g
  • ピュアオリーブオイル・・・30cc
  • ミント・・・5枚
  • バジル・・・1本
作り方
蜂蜜ゼリーとマンゴ&パッションフルーツのゼリー バジル&ミントのヨーグルトソース 蜂蜜ゼリーとマンゴ&パッションフルーツのゼリー バジル&ミントのヨーグルトソース 蜂蜜ゼリーとマンゴ&パッションフルーツのゼリー バジル&ミントのヨーグルトソース

<蜂蜜ゼリー>

  • 蜂蜜と水を一度沸騰させ、そこにパールアガーとグラニュー糖を合わせたものを少しずつ混ぜ合わせていき、さらに型に流し冷やし固める。

<マンゴ&パッションフルーツのゼリー>

  • マンゴピューレとパッションフルーツピューレとグラニュー糖50gに、水を合わせて一度沸騰させ、残りのグラニュー糖とパールアガーを合わせたものを少しずつ合わせていき、さらに型に流し冷やし固める。

<バジル&ミントのヨーグルトソース>

  • 鍋にミントとバジルの茎、そしてオリーブオイルを注ぎ、加熱して50℃になったら火から外し冷ます。
  • ボールに三温糖を入れ、そこへヨーグルトを少しづつ加えていき、混ぜて溶かす。
  • そこへミントとバジルのフレッシュをお好みで加え、味を馴染ませてから[3]のハーブオイルを垂らしソースとする。
蜂蜜ゼリーとマンゴ&パッションフルーツのゼリー バジル&ミントのヨーグルトソース
田島シェフのひとこと

バジル&ミントにオリーブオイルを組み合わせたヨーグルトソースは、ゼリー以外でもクッキーとかにつけても美味しいですね。ゼリーとヨーグルトは酸味同士で反発しそうですが、ハーブの香りが中和して美味しく食べることができます。

蜂蜜ゼリーとマンゴ&パッションフルーツのゼリー バジル&ミントのヨーグルトソース
蜂蜜ゼリーとマンゴ&パッションフルーツのゼリー バジル&ミントのヨーグルトソース
このページを印刷する