2011年度 主婦調査実施の概要

4.ちょっと気になる「健康油」の動向

 今回の調査結果の特徴は、一つは、これまで述べたように基本になる油への回帰を挙げることができます。そしてもう一つは、特定保健用食品など「健康油」の伸び悩みと言うことができるようです。

 図1で見るように、「コレステロールが気になる方向けの油」、「特定保健用食品の油」、「脂肪がつきにくい油」などの「健康油」と称される油は、非常に多くの方に知られていることが分かります。しかし図2で、それらの使用体験を見ると、「コレステロールが気になる方向けの油」は、50%を超える方が使用しているものの、それ以外の商品では、使用した方は50%に満たないものとなっています。そして現在の使用状況を見ると、すべての製品について非常に低いという結果となりました。つまり、これらから「健康油」は「よく知っており→使用してみたが→いまは使用していない」というパターンにあるようにさえ見えます。

 しかし図4で今後使用してみたい植物油については、「コレステロールが気になる方向けの油」と「脂肪がつきにくいタイプの油」が、過去の調査と同様にいまでも上位に挙げられています。ただ、2007年からの4年間に、その割合が低下する傾向にあることに気がつきます。2009年、特定保健用食品に認定されていた食用油の一つについて、自主的な製造・販売の停止と特定保健用食品の認可の自主失効が行われました。そのことの影響が今回の調査に反映されたのかもしれません。

 健康油がこのような動向にある反面、「ごま油」「なたね油」「サラダ油」などの油は、すでに十分に使用されているので割合こそ低くはなりますが、今後使用したいという意向が高まる傾向がみられます。つまり「ごく、普通の油を使い、今後も使いたい」という傾向が強く現れていると言えるでしょう。メタボ検診や食生活指導が普及し、特定の機能を持つ食品に頼ることなく、適正な食事を含む生活改善が進んでいる結果であると理解したいものです。そして「健康油」は適正な食生活を補うものとして、上手に利用していただきたいと考えます。


【 図4 今後使用してみたい植物油 】
図4 今後使用してみたい植物油
※『コレステロールが気になる方向けの油』=「☆コレステロールを下げるタイプの油」と「☆コレステロールがゼロのタイプの油」の少なくとも
 どちらかひとつに該当


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