大豆油の供給が激減―植物油供給の構造的変化―
4.200万トンを超える大豆ミールの輸入

 2010年の大豆ミール(粕)の輸入量は史上最高の219万トン弱で、200万トンを超えることとなりました。国内の大豆ミール生産量は、大豆の搾油量の激減に伴い187万トン弱であったため、総供給量に占める輸入ミールの割合が54%に高まりました。

 大豆ミールの主要な用途である家畜の飼料(配合飼料)の生産は、宮崎県での口蹄疫の問題もありましたが前年とほぼ同量(微減)でした。飼料への大豆ミールの配合率は年間を通じて14%(2009年は13.45%)を超え、大豆ミールに対する強い需要があるにもかかわらず、私ども製油業界がそれに対応できないという残念な状況となりました。大豆ミールは重要な飼料原料の一つであるだけではなく、植物性蛋白食品や味噌、醤油などの伝統的な発酵食品の原料としても大切な物資です。私ども製油業界は、需要者の皆様にお応えして、適正な供給責任を果たしていかねばなりません。そのためには、大豆の搾油量を増やすことが必要です。大豆油は独特のコクとうまみを有する植物油です。この長所をご理解いただき、大豆油と大豆ミールの安定供給に努めていきたいと考えております。


【 図6 大豆ミールの供給量の推移 】

図7 パーム油を多く消費する国
資料:農林水産省「油糧生産実績調査」、財務省「通関統計」
注 :2010年の輸入量は暫定値である。
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