伝統食品のそうめんに食用植物油

8.もっと知りたい“そうめん”

全国乾麺協同組合連合会の安藤剛久専務理事にお伺いしました。


Q1.

いま、全国のそうめんの生産量はどれぐらいあるのでしょうか


A1.

 そうめんの生産量は83,416トン、このうち、機械そうめんが37,419トン、手延べそうめんが45,997トンでした。


Q2.

「そうめん」と「ひやむぎ」はどのような違いがあるのですか。ひやむぎには色のついたものが数本混ざっていることがありますが、どうしてですか。


A2.

 違いは太さにあります。JAS法の規格では、そうめんは直径が1.3mm未満、ひやむぎは1.3mm以上1.7mm未満とされています。色つきひやむぎは、そうめんと見分けるために混ぜたようですが、最近では、そうめんでも色つきのものがあります。清涼感を演出するためと言われています。
 そうめんは西日本で好まれ、ひやむぎは東日本で好まれる傾向があります。そうめんの生産地が西日本であったことによるもので、いわゆる地産地消ということになりますね。一方、東日本ではそばと太さと同じということでひやむぎが好まれるようです。


Q3.

有名なそうめんの産地がありますね。それらを教えていただけないでしょうか。またどうしてそれらの地域でそうめんが発達したのでしょうか


A3.

 手延べそうめんのブランドとして代表的なものは、播州そうめん・揖保の糸(兵庫県)、三輪そうめん(奈良県)、島の光(香川県小豆島)、松の雪(岡山県)、島原そうめん(長崎県)、浮羽そうめん(福岡県)、神崎そうめん(佐賀県)などがあります。
 中国からそうめんの起源である「索餅」を遣唐使が持ち込んだのが奈良で、これが三輪そうめんの起源とされます。そして西日本各地からの“お伊勢参り”が奈良の地を経由していたことから、三輪そうめんの製法がそれらの地域に広がったのではないかと言われています。
 また主なそうめんの産地の多くは、良質の小麦と水に恵まれていたことも理由の一つでしょう。特に兵庫、岡山、香川の3県は俗に“3県麦”と称される日本の代表的な良質小麦の産地でした。そしてその土地独自の製法が生まれ、それぞれの産地でなければ味わうことのできない独自の手延べそうめんができたのです。
 そういえば植物油の生産も近畿を中心とする西日本で発展しましたので、理由の一つに挙げられるかもしれません。
 これらの地域では手延べそうめんの乾燥作業が冬の風物詩となり、ちょっとした観光資源にもなっていますね。


【 図8 手延べそうめんの乾燥風景 】
図8 手延べそうめんの乾燥風景

Q4.

沖縄の「そうめんチャンプルー」という料理は炒めそうめんですね。こんな食べ方もあるんですね。


A4.

 チャンプルーは沖縄独特の料理ですね。炒め物にしてもくずれないのが手延べそうめんのコシの強さです。茹でたそうめんを油で揚げて、堅焼きそばのように食べていただくのもおもしろいかもしれません。
 そうめんというと夏の食べ物というイメージが先行しているかもしれませんが、寒い季節にはうどんと同じよう熱くして召し上がるのも良いのではないでしょうか。サラダの素材やすまし汁の具にもしていただいてもおいしいですよ。夏の食べ物というだけではなく、食素材の一つとしていろいろな食べ方に挑戦していただきたいと願っています。


※これらの記事は、全国乾麺製造組合連合会のご協力を得て作成しています。そうめんについてもっと知りたい方は、www.kanmen.comをご訪問ください。

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