2009年度 主婦調査実施の概要

3.最近の話題から

 植物油に関する主婦の意識調査では、植物油の使用実態に関する継続的な調査に加え、最近のトピックスについて、主婦の皆様がそのように受け止めておられるかをお聞きしています。


(1)油の価格上昇について

 世界の農産物価格が急上昇したことは記憶に新しいところです。前回(2007年)の調査は、大豆や菜種の国際価格が急上昇していくなかで実施しました。大豆や菜種の価格は2008年7月に歴史上の最高値を記録し、その後鎮静化しましたが、それでも3〜4年前の2倍の水準にあります。今回の調査時点では、大豆などの国際価格は、前回と余り変わらないレベルにありましたが、回答には少し変化が見られます。

 植物油の価格に対して「関心がある」「やや関心がある」と回答した方の割合(単一回答)は計70.9%で、多くの方が関心を有しておられます。このことは、植物油の購入時に最も重視されるのが価格であったことと同じ傾向にありますが、前回に比べると価格上昇への関心は低下し、逆に「関心がない」「あまり関心がない」と回答した方の割合(計11.8%)が高くなりました。メディアなどが、一時期のように価格の上昇を報道しないことや、植物油の価格がこのところ安定基調にあることが影響しているのではないでしょうか。

 また、植物油の価格が上昇した場合にどのような行動をとられるかとお伺いしたところ、「特売の時に少し買いだめをする」が最も多い(53.8%)ことに変わりはありませんでしたが、2007年度(57.1%)よりやや低下し、「変わらず購入する」すると答えた方が19.5%でした。しかし、60歳代の方では、「変わらず購入」が43.2%で「買いだめ」の33.8%を上回り、価格の変動に流されることのない姿勢が浮かび上がってきました。


【 図8 植物油の価格上昇に対する関心度 】
図8 植物油の価格上昇に対する関心度

【 図9 年齢層別に見た植物油価格上昇への対処 】
図9 年齢層別に見た植物油価格上昇への対処

(2)健康志向の食用油の認識に変化

 特定保健用食品など健康志向の食用油については、これまでとの認識の変化が生じています。

 健康志向の食用油のイメージについては、「値段が高い」と答えた方が59%で最も多いことに変わりはありませんが、前回よりやや低下しました。その反面、「体によい」「ダイエットによい」という答が低下し、特に「特定保健用食品なので安心」とする方が、前回の39%から25%へ低下する結果となりました。そして、「効果効能が疑わしい」「人工的で不安」などのネガティブイメージが高まりました。

 この傾向は、健康志向の食用油の今後の使用意向にも顕れ、「使いたくない」という回答が26%(前回は16%)もありました。

 これらは、この調査の直前に一部の特定保健用食品である食用油の自主的な販売停止・特保認定の自主失効が行われたこととも関連しているように考えられます。特保の食用油の販売停止については77%の方が知っておられました。また、この問題が「その商品特有の問題である」と考える方が少なく(26%)、52%の方が「特保食品を信頼できなくなった」と回答されました。

【 図10 健康志向の食用油のイメージ 】
図10 健康志向の食用油のイメージ

【 図11 健康志向の食用油の今後の使用意向 】
図11 健康志向の食用油の今後の使用意向
【 図12 製造販売を停止した食用油の認知度 】
図12 製造販売を停止した食用油の認知度
【 図13 製造販売停止に対する感想 】
図13 製造販売停止に対する感想

(3)トランス酸問題は的確な情報が不足

 「トランス型脂肪酸」についてお伺いしたところ(単一回答)、「聞いたことがない」とする方は39.6%で、前回の61.2%に比べ大幅に低下しました。トランス型脂肪酸(トランス酸)に関するメディアなどの報道が増えていることの反映であると考えられます。しかし、「どういうものであるか、ある程度知っている」方は8.2%に過ぎず、過半の方がまだ十分な知識をお持ちでないことが分かりました。

 このことは、その後のお答えにも反映されています。

 また、これら「トランス型脂肪酸を知っている、聞いたことがある」と回答した方に、トランス型脂肪酸の摂取安全性に関する知識を伺いましたが、「よく知っている」方はわずか1.8%に過ぎませんでした。

 参考までに、WHO/FAO合同専門家会議では、飽和脂肪酸とトランス型脂肪酸の摂取について、次のように勧告しています。

『飽和脂肪酸とトランス型脂肪酸とを合わせた摂取が、1日に摂取されるエネルギーの10%未満、このうち、トランス型脂肪の摂取が1%未満であれば、健康リスクを懸念する必要はない』

 次に、同じ方々に、「トランス型脂肪酸がどのような食品に多く含まれていると思いますか?」と伺ったところ(複数回答)、第1位が「マーガリン」で40.4%、次いで「バター」が16.5%となり、「サラダ油などの植物油」については15.1%の方が多く含まれている食品との誤解をされました。

 トランス型脂肪酸は、水素転化した油や反芻制動物(牛、羊など)の脂肪分に多く含まれる物質で、サラダ油などの植物油に含まれる量は極めて微量です(したがって、正解は、マーガリン、バター、牛肉となります)。

【 図14 「トランス型脂肪酸」に関する情報の普及度 】
図14 「トランス型脂肪酸」に関する情報の普及度

【 図15 「トランス型脂肪酸」を多く含むと思われる食品 】
図15 「トランス型脂肪酸」を多く含むと思われる食品

今回の調査結果の概要は以上となります。私ども日本植物油協会並びに会員企業は、これらの結果を詳細に分析し、これからもより一層、皆様のお役に立つことのできる植物油の供給と情報の普及に努めて参ります。調査にご協力賜りました皆様に、改めて御礼を申し上げます。

PREVMENU