2008年のカナダ産菜種は980万トンを予測 ― 第32回日加なたね予備協議より ―

 去る7月21,22日の両日、日本とカナダの菜種関係者による第32回日加なたね予備協議が、サスカッチェワン州サスカツーン市で開催されました。

 会議で日本が最も注目した議題は、2008年のカナダ産菜種の生産量予測でした。会議の前にはカナダ統計局から、菜種の播種面積が前年より7%増加し、天候が順調であれば1,000万トンを超す生産が期待できるとの発表がありました。

 しかし、会議でカナダの菜種関係者から示された生産量予測は、1,000万トンを少し下回る982万トンでした。本年は、播種の時点では土壌水分が適正で順調に進んだものの、その後の天候がやや不順で、生育が通常より7~10日間遅れていることが懸念材料として挙げられました。また、地域によるばらつきが大きく、結局は今後の天候次第ということでしたが、その後、天候も順調に推移していることから、予測された生産量は確保されると見込んでいます。

 ただ、カナダ国内の製油企業が大幅に製造能力を高めていることから、それへの供給量が増加するため、輸出量を抑制しなければならないとの説明がありました。まず、国内を優先するという方針が示されたわけですが、日本が重要な輸出先であることは変わりなく、安定した供給が確保できると考えています。

【 表1 カナダの州別菜種生産量の予測 】
表1 カナダの州別菜種生産量の予測

 *カナダ統計局は8月22日に、その後の天候が順調であったことから、生産量は 約1,038万トンになるとの予測を発表しました。同時に、前年の生産量について も953万トンに上方修正しています。

 また、8月はじめにはオーストラリア油糧種子協議会の会長が来日され、2年連続で干ばつ被害を受けたオーストラリアでは、本年は順調な生産が期待(165万トン程度)できるとの報告がありました。

 ヨーロッパの黒海地域でも生産の拡大が予想されており、数量の確保に悩むことはないものの、価格は依然として高水準にとどまることが予想されます。

PREVMENU