長期逼迫基調に転じた油糧種子の国際需給
日本の製油業に及ぼす影響

 これまで述べた状況は、大豆と菜種に象徴的に現れていますが、その影響は他の油糧種子と植物油に及んでいます。また、大豆油と並ぶ植物油であるパーム油も常温で固形であることが寒冷地でのバイオディーゼル利用の制約要因となっていましたが、生産国では、技術改良を加えてバイオディーゼル・ブームに乗り遅れてはならないという姿勢を示しています。

 このように、巨大な可能性を持った新たな需要の登場は、食用植物油市場に大きい影響を及ぼします。私ども製油業界は、アメリカ、カナダの生産者との深い信頼関係を築いて参りましたことから、植物油の安定的供給に必要な数量の確保について懸念はしていませんが、油糧種子と植物油が相互に影響しあって価格を変動させていくサイクルの影響は排除できないものであり、国内市場においてもこのようなサイクルを反映していくことが安定供給のために不可欠の課題であると考えております。

 このような事情について、皆様の一層のご理解をお願い申し上げます。

PREVMENUNEXT