うつくしい元気委員会レポート その5
若い女性の栄養知識、少し偏ってないかしら?
~委員会メンバーの食生活座談会より~

 日本植物油協会では、毎年、うつくしい元気委員会の協力を得て「20~30代の食生活調査」を実施しています。今年の調査に先駆け、うつくしい元気委員会メンバー7名に集まっていただいて、20~30代の食生活実態、意識についての座談会を行いました。若い人たちの食の問題とその解決の糸口が見えてくる 内容の濃い議論の一端をご紹介します
座談会出席者  
○YY(家事手伝い) 今秋結婚予定。幼稚園教諭資格の取得を目指して勉強中。
○TY(会社員) 既婚。海外へのひとり旅が目下の楽しみ。
○SA(栄養士) 未婚。栄養士として都内の中学で栄養指導をしている。
○MK(専業主婦) ある資格取得を目指して通信教育で勉強中。
○SY(専業主婦) 今年、テニスとエレクトーンを同時にはじめた。
○FT(専業主婦) 昨年からはじめた書道に熱中。
○FM(専業主婦) 4才の女児の子育てに奮闘中。
司会  
○日本植物油協会スタッフ  
食生活に関心の高い委員会メンバー
――まず、みなさんの日頃の食生活を振り返っていただきたいのですが。
YY 私は根本的に3食食べないとだめなので、朝はしっかり。でも、お昼はパン程度。夜は仕事で遅くなるし、お酒が好きなので、おつまみ程度で済ませてしまいます。
SA 実家に同居ですが、食事は私がつくっています。母の身体の具合が悪いせいもあって、栄養のバランスには気を使っています。
MK 朝食で卵、チーズ、バターなどたんぱく質を、夕食でひじきや大豆料理などミネラルやビタミンをとるようにしています。でも、その分、土日は夫公認のスチャラカ料理の日(笑)。料理らしい料理はしないんです。
SY 私は健康体で食事もちゃんととれていると信じていたのですが、体脂肪率が肥満に近かったのがショック。食生活の情報が実生活に役に立っていなかったと感じてます。
TY 夫婦共働きなのですが、完全に外食型になっていてこれではいけないって思っています。外食は味付けが濃いし、野菜が不足すると思うので。
FT 今、栄養士の先生の指導でダイエット中。3食、きちんととるように心がけています。夕食は早めで夕方5~6時頃。炭水化物をとりすぎないようにしています。

同世代の食生活の知識は偏りがち
――みなさん、さすがに食生活への関心が高いですね。では、みなさんの周りの方の栄養への関心とか、知識などはどうでしょうか?
SY 自分の1日の必要カロリーくらいは知っていると思います。たぶん常識。でも、どの食品が何カロリーというのは知らない人が多いと思う。
TY それに、カロリーだけを気にしてバランスは気にしていない人も多いんじゃないかしら。
YY 私、高校の教育実習に行ったんですけど、食事を抜いたり、カロリーメイトだけみたいな高校生も結構いて驚きました。
TY 野菜にしても、緑黄色野菜をとらないで色の薄いレタスばかり食べて野菜をとった気になっていたりするし、栄養の知識がちゃんとしているとは思えないですね。
FM 同世代でも、何かの食品に妙に凝ったりする人もいませんか? ゴマが肌にいいと聞けばゴマだけでおかずは何でもいいとか。
MK アメリカ帰りの友達は、ビタミンのタブレットで万全に栄養がとれると過信してます。向こうでは「これがはやりよ」って、これを何錠、あれを何錠って飲んでる。でも私は、それって絶対良くないと思うんです。栄養はやっぱり食べ物でとるべきだと。第一、その友達、顔色も悪い(笑)。
――友達とか周りの人の植物油についての知識はどうでしょう?
MK 油を絶対とらないという極端な友人がいます。このメンバーになって、私が最初に思ったのは「植物油ってエライんだなあ」ということ(笑)。だって、油にはいろいろ種類があって、大事な働きをしているんだから。でも、このメンバーにならなかったら、私も彼女みたいに油というとすぐ太るみたいに悪者扱いしていたかもしれない。
FT 「油はダイエットの敵!」みたいな意識は根強いですよね。
FM そうそう。だって、栄養の本なんか読むと100g当たりのカロリーを紹介してあるでしょう? それを見ると植物油なんかもカロリー高い!って思うけど、油を100gもいっぺんに食べることはあり得ない。そういうこと考えないで誤解してるんだと思います。
TY 油には動物性と植物性があるっていうことくらいは知っているかな?
FM う~ん、怪しい(笑)。知識のない人は、油というとあぶら肉をイメージするんじゃないかしら。動物性、植物性って分けて考えられるのは、私たちがこの委員会で勉強したからっていう気がするなぁ。

栄養、植物油の知識は、より具体的な情報として提供してほしい
――では、友達や周りの人が健康的で豊かな食生活を送るためには、どんな情報を提供することが必要だと思いますか?
SA 栄養に関しては、「こういうもの食べたらこういう風に健康になります」というプラス知識だけではダメだという気がします。こういう食生活を続けるとこんなに恐いゾーみたいなマイナスの情報提供をしないとピンとこない。
FM そうそう。ある程度年輩の人のように、今、どこかにガタがきていれば別 だけど、若い人たちは今が健康だから、「こう良くなる」っていわれても実感ないですよね。
――植物油についてはどんな情報が必要でしょうか?
FM 種類がいろいろあること。植物油って、サラダ油だけじゃないとか。
TY グレープシードオイルとか、紅花油とか、新しいものもいろいろ出ているし。種類に応じて、使い道もいろいろありますよね。サラダにオリーブオイルとか。
MK それから、植物油って悪者じゃなくて、身体にいい働きがたくさんあることをもっと伝えないと。
SY 植物油には身体の中ではつくれない必須脂肪酸が含まれているんですよね。
YY そういう情報を、栄養や食生活の情報を扱っている雑誌とかでアピールして欲しいですね。
FT 料理雑誌のレシピがダブルで載っているといいな。ダイエットしている人のレシピとそうでない人のレシピとか。同じ料理なんだけれど、選ぶ食材や油の使い方がちがうとか。そういう具体的な形で伝えないと、知識だけあっても実際の生活で生かさないっていうことにもなってしまうと思うんです。
TY 実生活に即した具体的な情報って本当に大切だと思う。私みたいな外食がちの人には、「外食ではこういう栄養が不足しがちだから、休日にはこれを食べよう」とかね。それに、最近は外食のメニューにカロリー表示がついていることが増えたけれど、カロリーだけでなくて栄養の知識、たとえば油の種類やはたらきなどが食材と一緒に紹介してあったりすると、自然に関心を持つ人が増えるんじゃないでしょうか。
YY それと、栄養以前に、もっと食べる楽しさみたいなことを伝えることも必要ではないでしょうか。周りには食べることそのものに興味のない友達がいて、当然、栄養の情報なんてまるで関心がない。誰と食べるか、どう食べるか、そういうことが、栄養の知識にもはね返ってくると思うんです。

座談会を通して見えてきた若い人たちの食生活や植物油意識。その実態をより明らかにするためにこうした議論を踏まえたアンケートを作成調査を実施する予定です。 調査結果は、次号で発表しますので、どうぞご期待ください。
MEMU