タイトル


国を挙げて取り組んだパーム油産業の振興

 マレーシアの代表的な輸出品といえば、かっては天然ゴムでした。しかし、石油化学の進歩で合成ゴムが普及し、天然ゴムに取って代わられるようになりました。このため、マレーシア政府は天然ゴムモノカルチュアを脱して農業の多角化を進めることとし、その一環としてゴム園を主にパーム園に転換する政策を推進しました。この政策が功を奏し、パーム油は1970年代半ばからマレーシアの重要輸出品目に急成長し、いまや、マレーシアは、世界のパーム油生産及び輸出の約50%を占める世界最大のパーム油生産・輸出国となりました。


グラフ


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 パーム油産業は、マレーシア経済の重要な位置を占める産業となりましたが、マレーシア政府は、その支援体制をさらに強化するため、2000年5月1日にパーム油庁(MPOB)を発足させました。それまで、パーム油登録許可庁(PORLA)とパーム油研究所(PORIM)の2つの政府機関が中心となってパーム油産業を支援してきました。このうち、1976年に設置されたパーム油登録許可庁は、生産業者の登録・認可・品質管理を通じてパーム油産業の育成に貢献しました。また、1979年に設立されたパーム油研究所は、搾油、精油などの生産技術に関する研究・開発を主導する役割を担ってきました。パーム油庁は、この両機関を統合することによって業務の合理化・効率化を図りながら、パーム油産業への指導の強化、パーム油の品質向上、付加価値の拡大、パーム資源の最適利用の追求などを推進しています。単に量的に生産量が多いというだけでなく、パームを利用した総合産業への脱皮を大きい目標として掲げています。
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