家庭用にはオリーブ油!

  AOFは、マーガリンなども含めた油脂全体の消費量の用途別内訳を、小売部門(家庭用)が全体の38.1%、食品加工部門(冷凍食品やお菓子の製造業者用)は37.1%、食品サービス部門(レストラン、テイクアウェイ用)は24.7%と推計しています。
  このうち小売部門については、マーガリンの消費が8.3万トンと最も多く、次に食用油の4.3万トン、バター及びバター・マーガリンが3.2万トンとなっていますが、最近では食用油の消費が増加傾向で推移しています。Retail World社の調査によって、2002年に小売店で販売された食用油の種類別ランキングを見ると、最も売れたのがオリーブ油で数量では36.7%、金額では57.6%を占めました。オーストラリアにはイタリア・ギリシャ系移民が多く、もともとオリーブ油の消費は多かったのですが、健康によいとメディアなどで取り上げられたことなどを背景に人気が高まってきました。次にカノーラ油(数量で28.0%、金額で19.0%)、一般ブレンド油(同25.1%、14.5%)、ヒマワリ油(同5.8%、3.8%)の順となっています(表3)。
表3 小売部門の種類別植物油の売上量、売上額のシェア

(単位:%)
  売上量
売上額
オリーブ油
カノーラ油
一般ブレンド油
ひまわり油
特別ブレンド油
ブレンド・オリーブ油
その他
36.7
28.0
25.1
5.8
3.4
0.5
0.5
57.6
19.0
14.5
3.8
4.0
0.5
0.5
合計 100.0 99.9
資料:「Annual Report 2002」(Retail World社)
 小売部門では液状植物油の利用が多くなっていますが、食品加工部門や食品サービス部門ではパーム油や牛脂などの固形油が多く利用されています。オーストラリアでは、フィッシュ&チップスに代表されるようにフライが大人気で、食品サービス部門で利用された食用油の約6割がフライ用であると推計されています。このフライ用油脂を含め、食品加工と食品サービス部門では、酸化安定性や風味もよく価格も安いとの理由から、パーム油を中心とした固形状油脂を利用するところが多いようです。しかし、消費者団体などは、固形状油脂を健康的な液状植物油に切り替えるべきだと食品企業などに圧力をかけています。このため、マクドナルド・オーストラリア社など液状植物油に切り替える企業も出てきました。
表4 食品加工部門で主に利用されている主な油脂

用  途 利用される主な油脂
ビスケット
ベーカリー
ケーキ
ドレッシング
スナック
冷凍食品
パーム油
カノーラ油
綿実油
カノーラ油、最近はオリーブ油が増加
パーム油
牛脂、カノーラ油、パーム油、綿実油、ひまわり油
資料:オーストラリア油糧種子連盟(AOF)
PREVMENUNEXT