動物油から植物油へ

 油脂の総摂取量を見る限り、アメリカ人の健康志向は名ばかりと言えそうですが、変化が見られるのが、その内訳です。
 健康に配慮して、より軽い油脂に切り換えようという動きが見られます。大きな流れとしてあるのは、動物油から植物油への移行です(表1)。
表1 アメリカにおける油脂の一人当たり年間消費量の推移

(単位:ポンド)
  1970-74年
2000年 増減(%)
油脂
サラダ油・クッキングオイル
ショートニング
マーガリン
バター
ラード
牛脂
その他
55.7
16.7
17.2
11.0
5.0
3.6
na
2.2
77.1
33.7
23.1
8.2
4.6
1.9
4.0
1.5
38
102
34
▲25
08
▲47
na
▲32
資料:「Food Review Winter 2002」(米国農務省経済研究局)
注) 1.製品重量であり、調理時のロス、廃棄ロスなどを含む。
2.「na」は、データなし。
3.ラード、牛脂には、マーガリンやショートニングにおける使用分を含まない。
4.1ポンド=453.6g
 1970~1974年の平均と2000年を比べると、ラードの1人当たりの年間消費量は、3.6ポンドから1.9ポンドと47%も減少しました。また、バターの1人当たりの年間消費量は5.0ポンドから4.6ポンドと8%減少しています。これに対し、サラダ油、クッキングオイルの1人当たりの年間消費量は、16.7ポンドから33.7ポンドとほぼ倍増しました。1人当たりの油脂の消費量が38%も増加している中で、動物油の消費が減少しているのは、消費者や外食産業がより体に負担の少ない植物油にしようとしているからです。
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