◆ダイエットに対する意識

ダイエット志望者は大幅減。その意識は“見た目を気にしたむやみなもの”から“生活習慣のひとつ”へと進化。

■過去5年間で、ダイエット志望者は大幅減少!

 日本植物油協会ではここ数年にわたり若い人々のダイエット意識について調べています。2000年の結果を見ると、ダイエット熱低下が確実に定着していることがわかりました(図表1)。特に目立つのは女性の意識変化。96年には8割の人が「ダイエットが必要」としていたのに対し、98年は半数に減少、そして2000年ではそれが定着したことがわかります。男性の変化はそれほどではありませんが、それでも「必要」は減る傾向、「必要でない」は増える傾向にあるのは共通しています。「何が何でもダイエット!」という気持ちが落ち着いてきた背景にはどのようなことがあるのでしょう。その意識を探ってみました。
■ダイエットは生活習慣のひとつへと進化
 ダイエットしたいとする人がなぜダイエットしたいと思うのか、その理由をこの5年間で比べてみました(図表2)。これによると「体重をはかったら増えていたから」という理由のウエイトが上がり、この2年間でも大きく伸びました。常に自分のベスト体重をキープする意識を持ち、ベストが崩れたときにダイエットを考えるという行動からは、ダイエットが日常の健康管理、生活習慣の一項目に組み込まれたという様子がうかがえます。
 これを性別で見ると、女性の場合、理由のトップは96年が「きれいになりたい、かっこよくなりたい」、98年が「好きな服を着たい」だったのが、2000年では「体重をはかったら増えていたから」となっています。この結果を見ると、どうしても見た目を気にしてのダイエットだった女性の意識もここへきて変わってきているようです。
 一方、男性はもともと健康を気にしたダイエットが主だったのが、2000年になって「人の視線が気になる」「好きな服が着たい」が大幅増。こちらは少し「おしゃれごころに目覚めた」というところでしょうか。

■正しいダイエット知識浸透。ただし「バランスのとれた食事」には課題
 さて、実際にダイエットする場合、どんな方法が行われるのでしょうか。この5年間で伸びている方法は「運動する」「飲酒を減らす」、減っている方法は「栄養バランスのとれた食事」「規則正しい生活」となっています(図表3)。「運動する」が増えているのは望ましいことですし、「飲酒」も過度なものが控えられるのだとすれば健康上やはり良いことです。ただし「栄養バランスのとれた食事」「規則正しい生活」がなければ、あわてて運動したり、お酒を控えても、それだけでは十分とはいえません。
 一方、ダイエットのために「油を控える」という人がわずかずつですが減少しており、「油を減らせばダイエットできる」という誤った認識が少なくなってきたようです。
  こう見てくると、若い人たちのダイエット意識は、見た目を気にしたむやみなダイエットから、健康を管理する上での生活習慣のひとつへと移ってきている様子がうかがえます。ダイエット方法の知識も進んできました。ただし、日々の食生活や規則正しい生活にはやや課題も残るところ。より理想に近いダイエットへと意識がさらに深まるといいですね。

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