植物油は真心の贈りもの

「石麿呂(いわまろ)に、吾(わ)れもの申す、夏痩せによしというものそ、むなぎ(鰻)とりめせ…」。
万葉集に大伴家持が痩せこけた友人をからかった歌とされていますね。
 しかし、単なる揶揄ではなく、夏の鰻は脂が乗り、ビタミンEもたっぷりで、栄養学的にも意味があり、ほんとうは友人を思いやる歌であることがわかります。
 土用の丑の日の鰻も同じ理由ですね。これを定着させた元祖とされる平賀源内 は、科学者で、こんな知識も十分に持っていたのかも知れません。 さて、油・ビタミンEといえば身近にある植物油も負けていません。お中元に植物 油が好まれるのは、植物油をたっぷりとって夏バテを吹っ飛ばしていただきたいという贈る方の思いが込められているのです。
 植物油がいつ頃からお中元の定番となったかについては定かではありませんが、戦後間もなくから、お中元やお歳暮に愛用されてきたようです。その理由が、植物油が高価で、親しい方にお贈りするのにふさわしいものであったことにあると言うと、驚く方が多いのではないでしょうか。当時の国内農業保護との関連で、植物油の原料の大豆・なたねは政府の割当制度の下にあり、原料が自由に入手できなかったからで、似たような状況にあった砂糖も当時のお中元・お歳暮の花形でした。  昭和36年、油糧原料の輸入が自由化され、植物油は誰もが手に入れることがで きるものになりました。それでもお中元の定番の位置を保っているのは、めまぐるしく変化した食生活に合わせた多種多様で、健康のイメージを更に高める商品が次々と開発されてきたからです。バブル景気を謳歌したころには高価な贈答品が幅を利かせましたが、成熟社会に到達したいま、贈られる方に思いやりの心を伝えることがもっとも大切なのではないでしょうか。健康は現代社会のもっとも重要なキーワードですね。
 私たちが心を込めてつくる「うつくしい元気の素 植物油」は、健康な生活に欠かせない心のこもったお中元として、今後も贈り続けられると考えています。
MEMU