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Q16:植物油は一日にどれくらいの量を摂取すればよい?
 植物油の適正な摂取量は、年齢、個々の体格差、油以外の摂取する食品の種類などの相異により当然異なりますので、絶対的な適正基準があるわけではありません。育ち盛りの青少年と高齢者とでは自ずと差異があるでしょうし、脂質を多く含む食物を食べることが多い人は一緒に食べる油の量を控えめにすることが必要でしょう。その人が、一日の間にどのような労働や運動をされているか(生活強度)によっても異なります。

 厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準」(2010年版)では、年齢、性別、生活強度などを詳細に検討して一日に摂取する総カロリーの適正量を定めています。このうち脂質からの摂取比率については20~30%程度とすることが健康的な生活を維持していくための適正水準とされています。

 したがって適正量を知るためには、厳密にはご自身が摂取するべきカロリーの総量を決め、次に脂質の量を決めることが必要になります。これに基づいて、食品に含まれる脂質や植物油以外の脂質の量を計算して、必要な植物油摂取量を計算することになりますが、現実にこのような計算をすることは不可能です。脂質を含む食品を食べ過ぎたと感じるときは植物油を少なめに、その逆の場合は多めに摂取することが現実的な対処ではないでしょうか。

 厚生労働省では毎年、国民健康・栄養調査を実施していますが、これによりますと日本人1人1日当りの脂質摂取量は約54g(平成22年)、動物性脂肪と植物性油脂の比率は1:1で、植物油の直接摂取量はわずか7.8gと報告されています。この水準は日本人の食事摂取基準で定める望ましいレベルとなっていますので、平均的には現在の油脂類の摂取を維持すれば、健康的な食生活であるということができるようです。無論、肉類などを多く食べている方は、肉類を減らし、植物油の摂取を増やしていただくことが必要です。

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